こんにちは。
「家事を変えれば仕事はもっとうまくいく」がモットーの響城 れいです。
夫の実家である熊本で、M7.3の「本震」を体験した実感。
「今すぐに見直して、モノを捨てよう」
夜中ウトウトしていたら、ガラガラッ !! メキメキッ !! と激震 ( 本震 ) 。
食器棚から食器が飛び出して砕け
壁に掛けた時計や額は落下して飛び上がり
陶器の人形は割れる、欠けるで「凶器」のような状態
玄関の壁の等身大鏡は落ちて破片が散乱
枕元には陶器の皿がV字型に裂けた先端が、アタマまで数cm のところに…
電子レンジも吹っ飛び、普段は動かせないほど重い本棚も30cmずれて
使いかけの洗剤も
オイルポットの油も
調味料もこぼれてドロドロ
そもそも熊本には地震の経験も予想もなく、あの日も「あとは余震程度か」と油断していたせいもあります。
下に続く
電車内や人混みなど
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でも一応、棚の取手はひもで縛り、ガムテープで押さえていたのに。
私が経験した中で最大のものは、東京での東日本大震災。震度5程度です。
自宅に帰るまでの心配は「モノが落ちて割れていないかな?」
今回、それは甘いと知りました。モノが、飛ぶんです。上等なモノほど飛びかかってくるんです。
・食器は飛んで砕ける。
・家電も横っ飛び。
・重い棚も滑る。
ものすごい加速度で襲ってくるのです。
収納の先生は「あまり使わないものは上か下にしまいます」と言います。
ダメです。
上から落下したら、もちろん危険。
今回見たのは、下の棚に入れている陶器やら土鍋やら、どっとりと重いはずのモノたちが、シャーッと勢いよく滑り出す姿。
あんなのが足元に激突したら、ひとたまりもありません…
やはり、捨てなきゃ。なくさなきゃ。
それから、行動のクセ。ふだんきちんと生活している人は、非常時でもそのクセが抜け切らない。
「本震」の後も、常にユラユラして一触即発状態。
「絶対にまだ来る」と身体が感じているのに、動かない方がいいのに、その合間に落ちたものを棚にしまおうとする。
懐中電灯を探しにゴソゴソし始める。
いったん外に出て、布団を取りに家に戻るときも靴を脱いで、その靴をそろえてから入る。
あまりきちんとしていない私は、土足のまま上がって、一目散に外に出た。
これは、普段から「非常時は無礼講」「人の目は気にしない」と心に強く刻んでおかないとなかなかできないのかもしれない。
最後に、モノへの思い入れ。どんなに社会経験を積んだ人でも、きちんと家事をこなしてきた人でも、モノへの思い入れは、判断を狂わせる。
奇跡的にわが家ではケガがなかったけれど、食器の破片を身体に浴びていたら、と考えるとゾッとする。
長い間愛用して来たモノたち。
でも、実はほとんど使っていない、コレクションみたいなモノたち。そんなモノで血まみれになったり、骨折したりしていいのか?
今回、よくわかった。
それは、私が他人だから言えることだ。後の立て直しより、今の命だけを純粋に考えられるから。
この家もモノも、手に入れる苦労や思い出がないからできることだ。
「そんなの、どーでもいいから、さっさと家から離れてくださいっ !!」と叫んで、身体をひっぱがすことができたのだ。
自分の大切なモノは、簡単には手放せない。
後のことを考えたら、恥ずかしいことはしたくない。
避難所の床に敷くなら、いちばん汚い布団、となおも押し入れをゴソゴソする気持ちもわかる。
いったん出てから「あ、あれも」と戻りたくなる気持ちもわかる。
自分が買った家なら、土足でなんかで入れない。
では、どうするか。
やはりふだんから「モノとの距離をとっておく」ことだ。
「こんなの、ま、どーでもいいけど」
「生きてさえいれば、また手に入るし」と言いながら暮らすことだ。
「モノを大切にしましょう」を忘れて、ジコチューに生きることだ。
緊急時だからといって、思考と行動は急には変わらない。
むしろ、極端な形で出てくる。
昭和ヒトケタの方は「米粒残したらバチがあたる」と言われて育った世代。そのことが、とてもよくわかった。
最後に。
高齢者、特に男性は、モノ、家への思いが強い。もっと言うなら、「家族と家を守る」という思い。
だから、傾いても、倒壊の危険があっても家に戻ろうとする。
高齢者は、非常時は本人であればお金がおりるようになったことを知らないので、無理矢理でも通帳と印鑑を取りに戻ろうとする。
今回、耳にしたのは
「夫が避難所には行きたくない、と言うから…」という妻の声。
「夫は『この家で死んだら本望』と言うけれど、私はイヤ」
「でも、何もできない夫を置いて行けない」という声。
これも普段から「自分のことは自分で考えて行動する」というクセを強烈につけておかなければならないようだ。
東日本大震災の津波被災地に立っていた石碑。
「津波が来たら、てんでんこ」
津波が来たら、てんでばらばら。自分のことだけ考えればいい。
家族を、友人を気にしなくてもいい。
助けようと、戻らなくてもいいから。
戦争を経験した高齢者の身体にしみ込んだ考え方を変えるのはとても大変だ、無理だということがよくわかった。
せめて、変えられる人たちは変えていこう。
心がけていこう。そう思った。
モノを捨てる。
モノにこだわらない。
「きちんとした暮らし」や礼節は、命より大切なものではない。
「自分がどうしたいのか」を決め、人に遠慮して巻き込まれないようにする。
以上、熊本からのレポートでした。
(15日に様子を見に行って本震に遭遇し、避難所往復。17日にはいったん東京に戻って書いています)
この記事を書いた人
響城 れい(Rei Hibiki)
ワーク&ライフイノベーター ( 女性活躍推進コンサルタント ) 株式会社ダブルビーイング 代表取締役社長
神戸大学卒業。兵庫県立神戸高校卒業。兵庫県芦屋市出身。菊正宗酒造株式会社人事課勤務。子育て中に30歳で再就職。ハウスクリーニング運営20年、2,000件以上を施術。北海道ガス関連会社のハウスクリーニング事業の立上げを指導。現在は全国各地で年間200回以上の講演、研修を受託している。
オフィシャルサイト http://hibikirei.com/ |
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