「タオルが綺麗にならないんです」
その質問を頂いた方はエステサロンを経営されている方からでした。
「タオルを洗濯しても、何だか、くすむんです」
「なんでくすむんでしょうか」
実はプロのクリーニングでもエステのタオルは厄介な洗濯なんです。
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そのタオルは、そんなに汚れてるのでしょうか?
いや、汚れとは違いますね。エステで使われたタオルには、大量のオイルが付いています。
オリーブオイル
ホホバオイル
ローズヒップオイル
マカダミアナッツオイル
アーモンドオイル
などなど。
人が持っている皮脂と同じような成分を、外から補うためにこのようなオイルを使います。
それぞれ特徴がありますが、その基本は「オレイン酸」が多く含まれます。
不飽和脂肪酸と言われる脂で「脂=水に溶けない」
なのでこの脂がいっぱい付着したタオルを洗濯機に入れても、タオルはオイルの影響で水を浸透させない(弾いてしまう)のです。
きれいにならない・洗濯できない理由の一つはこれにあります。
では、洗剤をたくさん入れたら綺麗になるの?と申しますと、確かに綺麗になるでしょう。しかし、それでは経済的じゃないです。
このような脂を水洗いで綺麗にするには「アルカリ剤」と呼ばれる薬品を追加してもらいたいのです。
市販品では
「重曹」とか「過炭酸ナトリウム」がお勧めです。
オレイン酸とこのアルカリが結合すると「石鹸」になります。
脂が石鹸になるとは、まさに一石二鳥。もっと綺麗になる・・・そう思いますよね。ところがもう一つ問題があります。
この脂と結合してもらいたいものと、そうでないものがあるのです。
重曹とか過炭酸ナトリウムの成分にある「ナトリウム」と脂が結合した物は、洗浄にも有効な石鹸です。
ところが水の中には「カルシウム」「マグネシウム」という成分もあります。
これがオレイン酸と結合することがあります。これが洗濯業界では「金属石鹸」と呼ばれるものです。
金属石鹸は、水に溶けない・汚れを吸着するといった悪い作用をします。
なので、タオルにこの金属石鹸が出来ると黒ずんできます。
これを予防するには「キレート剤」という成分です。洗濯成分の表示にこれが書いてあるものを選んで使いましょう。
これで何とか綺麗に洗えるかというと、まだまだです(汗)今度は乾燥です。
天候の影響もあるので乾燥機を使っている。そういうサロンも多いでしょうね。ここで注意が必要です。
乾燥機に入れっぱなしになってませんか?夜の間に乾燥してもらう。確かに、誰もいない時間に機械が勝手に乾燥してくれるなら便利ですけど、これ絶対にやらないでください。
乾燥が終了するとタオルは冷えてしまうと考えますが、これが大事故につながります。
乾燥で山になったタオルは、実はこのときのタオルの熱は、山の中心に向かって集まるんです。
そして山の内部で熱が蓄積し、温度が上昇し、タオルに火がつくことがあります。
夜中に無人の店舗で、そこに火が出る。。。これが大事故の原因です。
これを防ぐ方法は、乾燥が終了したら確実に機械から取り出し、タオルの熱を冷まし、そして1枚1枚折りたたむ。ここまで済ませてください。
これでエステタオルは安全に綺麗になります。
(文/Hideshi Mihara)
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