7月に入ると博多の街は、「博多祇園山笠」で、街中がお祭りムードになります。
三大祇園祭の一つである、博多祇園山笠は、昔から根強く博多の人に愛されてきたお祭です。
この時期は、長法被を着た男集をいろんな所で見かけ、祭の最終日、7月15日までは、たくさん「のぼせもん」を見かけます。
「のぼせもん」とは、博多弁で、夢中になって、情熱を注いでいる人の事をいいます。
今回は福岡の染み抜き職人あやがお伝えする、山笠で着るハッピについてお話します。
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電車内や人混みなど
マスク着用を気にする場面など「エチケット用」として最適
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博多祇園山笠は、仁治2(1241)年を起源とするお祭りです。今年で774年目を迎え、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。
7月1日の「飾り山笠」の公開から、15日の早朝の追い山まで、福岡市博多区を中心に行われるお祭りです。
「飾り山笠」は、福岡市内14か所に飾られ、櫛田神社に向いた面を「表」とし、その裏側を「見送り」と呼びます。
博多人形師による、絢爛豪華な人形が飾られ、「表」には武者物。「見送り」には、童話やテレビアニメが題材になることが多く10m前後の高さで飾られます。
飾り山
出典:http://www.hakata-yamakasa.net/yamakasamap/2015/06/01/2015-kamikawabata/
7月15日の追い山のスタートは、午前4時59分。
一番山笠が櫛田神社に入り、奉納を皮切りに、合計8つの山笠が次々に櫛田入りを行い、博多の街中を重さ約1トンもの山笠を、「オイッサ!オイッサ!」という掛け声とともに約5㎞駆け巡ります。
博多祇園山笠公式動画はこちら
YouTubeからも臨場感をお楽しみください。
この日ばかりは、見物人も熱気冷めやらず、興奮したままお仕事に行く人も多い一日ですね。
6月1日は、長法被着用解禁の日。この日から、1か月半の間、博多の町で長法被姿の男集を目にするようになります。
じつは、この長法被は、久留米絣で作られており、山笠期間中の正装にあたります。
長法被にステテコと雪駄(または下駄)でも、冠婚葬祭やホテルなども出入りできるこの時期にだけ許される姿ですね。
長法被は当番法被とも呼ばれ、全部で43種類もあります。東流、中洲流、千代流では、長法被のデザインは統一されています。
恵比須流、土居流、大黒流、西流では、構成町によって、独自のデザインがあります。
長法被
出典:http://www.cocoj.jp/~yamakasa/kouza/kouza04004.htm
博多祇園山笠の中で雄壮な山笠の次に目を引くのが、舁き手の水法被(みずはっぴ)姿ですね。締め込みが印象的なこの装束は、山笠に参加することが許された人だけが着る事が出来る男のユニフォームです。
水法被は44種類あり、八番山笠「走る飾り山笠」の上川端通の水法被があるからです。
水法被
出典:http://www.hakata-yamakasa.net/knowledge/trivia/traditionalstyle/
参考:博多祇園山笠
http://www.hakatayamakasa.com
http://www.hakata-yamakasa.net/
法被を洗う時に一番注意したいのは、色移りです。
長法被は、久留米絣なので、しっかり色止めされているとはいえ、濡れたままにしておくと色移りすることがあります。
染み抜きのお仕事をしていると、必ずこの時期にお預かりする事がある、長法被の色移り。雨に濡れたままにしていたのか?洗濯機の中で放置してしまったのか?
「染みがついたから何とかしてください!」ではなくて、「色が出たから祭までに何とかしてください!」って緊急のご依頼があります。
せっかくの正装だから、白色×紺色がはっきりとしていた方がカッコイイですよね!
お家で洗う時に注意する点は、5つです。
① 他の衣類とは別けて、単独洗いをする。
脱水中に色移りする事があります。
② 水温30度以下で、中性洗剤を使う。
夏場は、水温が上がるので、要注意してください。汚れ落ちが良い洗剤や、白さキープの蛍光増白剤が入った洗剤は使用しないでください。
③ 脱水はしっかりと行う。
手洗いの場合、脱水がしっかり出来ていないことがあります。洗濯機もしくは、タオルに挟んで、しっかり脱水してください。
④ 形を整えて干す。
しっかりと形を整えて干すことで、アイロンがけがだいぶラクになりますよ。
⑤ アイロンは完全に乾く前にかける。
生乾き程度の時に、アイロンをかけると、ラクにシワを伸ばす事ができます。
この時期にだけ見られる、長法被姿の男集とスーツを着たサラリーマンがすれ違う博多の風景。スーツ姿よりも、長法被姿に、心ときめく女子も多いですね。
追い山が終わると梅雨が明け、本格的な夏が来ると言われています。
夏を迎える前の一番熱い博多祇園山笠に、遊びにきんしゃい!!
![]() ファッション大好き!大手アパレル企業・染み抜き屋を経験し、数々の想い入れのある衣類のケアをおこなう職人。現在は、福岡市を中心に、染み抜き、染色、デニムリペア、リフォームなど、洋服のトータルメンテナンスで活躍中。 オフィシャルサイト http://niyaho.blog.jp/ |
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