さて、今日は「富士山をお手本にお掃除しましょう」というお話です。
多摩川河川敷がお決まりのランニングコース。昨日は、夕陽に映えて富士山のシルエットがキレイに浮かび上がりました。
冬場のキリリと冷たい空気の中では、ご褒美みたいにくっきり堂々とした姿を見せてくれる美しい霊峰。夏には靄にかすんでめったに見ることができなくなるので、これが最後のチャンスかもしれません。
さて、その富士山のお話から…
といっても、ゴミを持ち帰りましょう、というのではありません (笑) 。
世界遺産として多くの人を魅了する、左右対称のなだらかで優雅なフォルム。あれがお手本なのです。
下に続く
電車内や人混みなど
マスク着用を気にする場面など「エチケット用」として最適
呼吸がしやすく、蒸れないクールエアマスク「Be*AIR」
・ガスレンジ周辺のこびりつきやベタベタ。
・バスルームのタイルの目地の黒いカビ。
・洗面所の蛇口の回りの灰色の硬い水アカ。
・トイレの便器の中の何本もの黒い筋。
ガンコな汚れに立ち向かうとき、あなたはどうやって戦いますか?
ランチ会で、友だちに聞いてみる? インターネットで検索してみる?その時に、おそらくこう聞きますよね。「何かいい方法はないかしら?」
20年前からずっと、お掃除セミナーで、本当によく聞かれる質問です (笑)
では、「いい方法」って?
たぶん、簡単で、すぐに、しかもビックリするぐらい完璧に汚れが落ちる洗剤や道具、でしょうか。
「目からウロコ」って、よく言いますよね。プロは何を使っているの?興味津々。うんうん、わかります〜、確かにそこ、知りたいですよね。
でも、そんな魔法みたいな方法、本当に方法あるんでしょうか?
ここで、ガンコな汚れの「歴史」を考えてみましょう。
昨日や今日、ましてさっき突然出現したものではありませんね。
レンジ台を例にとってみると、油がはね飛び、乾かない間にホコリが積もり、乾いて固まった上にまた油がはね飛んで…長い時間をかけて、少しずつ積み重なっていったものです。
横軸 (x軸)に時間の経過、縦軸に汚れの厚み(y軸)をとってグラフに表してみると…そうです。あの富士山の、向かって左側のゆるやかな稜線のように。
こうやってでき上がった汚れは、実は同じように緩やかに元に戻すのが自然で、しかも安全なのです。
富士山の、向かって右側の稜線のように。だから、どんな場所のどんな汚れでも、戦い方は同じ。
1 ぬるま湯や中性洗剤の泡につけてしばらく置き、汚れをふやかす。
(壁などのタテの面は、洗剤を塗ってからペーパーで湿布する )
2 ふやけて柔らかくなった部分だけをクリームクレンザーで軽くこする。
(磨き続けるとだんだん力が入って手が痛くなるので、2秒までが目安 )
3 それを何度も繰り返す。
「え〜っ、そんな面倒くさいこと、できないわ。プロなんだから、今すぐに落とす方法を教えてくれなきゃ」
とてもとても、わかります。
でも、ちょっとさっきのグラフを思い出してください。
「今すぐ落とす」というのは?富士山の頂上からパラグライダー、またはロープ伝いか直滑降で下りる、ということですよね。
出典:大正製薬
「ファイト一発 !! 」みたいに。
ビルでいうと、約750階分。目がクラクラ。「やり方教えるからやってみて」と言われて、できそうですか?
トレーニングを受けた人でなければ無理。失敗すると命にかかわりますね。
掃除でも、「ガンコな汚れを今すぐ落とす」というのは、実はプロの専門領域。毎回、かなり危険な賭けをしなければなりません。
汚れを分解する洗剤や道具は、同時に素材を痛めるパワーをもっているからです。だから、実験を繰り返して洗剤や道具を使いこなす技を磨き続けています。
特殊な洗剤を使っても決して素材のツヤを消さないように。硬い道具を使っても決して素材に傷をつけないように。もちろん、失敗を繰り返しながら長い時間をかけて「失敗しない方法」を身につけていくのです。
「掃除のプロ」ではない私たち。「今すぐ」にこだわり続けてきたから、20年経っても問題が解決しなかったのかもしれませんね。
もう一度言いましょう。
キーワードは「そのうち落ちるよ〜」です。
中性洗剤は食器洗いの洗剤ですので、絶対に素材を変色させることがありません。クリームクレンザーも、漆塗りのお椀に使わない、程度の注意で十分。ふやけて少しは柔らかくなった部分を磨くのですから、スポンジや歯ブラシ、メラミンスポンジで十分。素材を傷つける心配もありません。
特殊なものを探さなくても、あなたの家の中にあるものがちゃんと使えるのです。
ただし「繰り返す」ここがポイント。
「何よ、全然落ちないじゃない !! 」と短気を起こして途中で諦めてしまってはもったいない。ガスレンジの上にかわいそうな (?) ヤカン発見したら、今日からちょっとやってみませんか?
まず、「今日のヤカン」を写真に撮って。
お湯が沸いた時、熱いうちにゆるく絞ったタオルで拭く。( ヤケドしないように気をつけて。洗剤は要りません )
タオルで軽くこすれば、なお落ちます。
たったこれだけ。
毎朝、コーヒーを飲む時に繰り返してください。
2〜3日は残念ながらほとんど変化がありませんが、気にしないで。
1週間で肩の部分やフタの一部が光始めます。
2週間でクセになり、自然に手がスイスイ動き始めます。
およそ3週間で「目からウロコ」のようにピカピカに
なるはずです。
初日の写真と比べてみてくださいね。
いつ始めても「手遅れ」ということはありません。
なぜなら、始めなかったらどうなるでしょうか。向かって左側の稜線は、頂上を過ぎてもどんどん伸び続け…
キリマンジャロかエベレストみたいになってしまったら大変 !!地味でダサい (?) 方法ですが、ちゃんと効果はあるのです。
気温が上がるこの季節は、とてもいいタイミング。気になっていた汚れに向き合って、「右側の稜線」を下り始めましょう。
どんな汚れも
「世界遺産・富士山」で。キーワードは「そ・の・う・ち」。
ほら、この季節の風のように心が軽くなってきませんか。
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![]() ワーク&ライフイノベーター ( 女性活躍推進コンサルタント ) 神戸大学卒業。兵庫県立神戸高校卒業。兵庫県芦屋市出身。菊正宗酒造株式会社人事課勤務。子育て中に30歳で再就職。ハウスクリーニング運営20年、2,000件以上を施術。北海道ガス関連会社のハウスクリーニング事業の立上げを指導。現在は全国各地で年間200回以上の講演、研修を受託している。 オフィシャルサイト http://hibikirei.com/ |
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