クリーニングや洗濯に関しての文献などを調べていると、にわかには信じがたいような事例に出くわすことがあります。
サブマリン汚染と呼ばれる事例を知ったのは、今からかれこれ20年は前のことでした。
色物とは一緒には洗ってもいないのに、何故か赤色や青色などの色に染まってしまうという、まるで狐につまられるような話なのですが、このような事例はサブマリン汚染よるモノと推測されるのです。
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しかし、長年この仕事をしていると偉いモノでして、洗濯関連のサイトの掲示板と、業界のメーリングリストと、いずれもネットでの相談なのですが、実際にサブマリン汚染に2度ほど出くわしました。
更に最近、それに近い相談が、お店に来られたお客様から御座いました。
「おしゃれ着を、洗濯機のドライコースで洗うと、何故か黒いカスのようなモノがくっついて洗い上がる。」とのことでした。つまり普通に洗うには問題がないのに、何故洗濯機の回転の弱いドライコースで、黒いカスのようなモノが着くのか、いったい何処から出てくるのか疑問だし気持ちが悪いそうで、ご相談に来られたそうです。
そこで私は「ドライコースで洗う際には、洗剤もドライ用洗剤に変えておられますよね。」とお尋ねしました。
すると、やはり洗いのコースによって異なる洗剤を使われておられました。通常の洗濯ではアニオンと呼ばれるイオン性の洗剤で、ドライコースではノニオンと呼ばれるイオン性を持たない洗剤でした。
洗濯槽の汚れの主な要因の石鹸カスは、この洗剤のイオン性が大きく関わります。
原因は洗濯機のコースではなく、洗剤をアニオンからノニオンに変えることにより、洗濯槽に着いた石鹸カスが一部脱落するためと推測されます。黒いカスは、石鹸カスにカビが繁殖したのでしょう。
この洗濯機は、見た目以上に洗濯槽裏に石鹸カスが溜まっていると推測されます。相談者にはご苦労ですが、洗濯槽そうじ剤を使用し、何度も繰り返して徹底除去をして頂き、その後は定期的な洗濯槽そうじをすることをお勧めしました。
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しかし、洗濯物の臭いの原因も然りで、洗濯槽裏の汚れとは、なんと様々な洗濯トラブルを起こすモノでしょうか。
その汚れの大きな要因の1つである石鹸カスですが、その多くは金属石鹸もしくは酸性石鹸の発生によるモノで、その原因は水質等の金属や有機酸・脂肪酸の関与でしょう。
但し、洗濯の場合、水道水の水質だけが問題とは考えにくく、持ち込まれい来る洗濯物の汚れの種類にも、大きく関与することが推測されます。
無論、洗濯洗剤や洗濯機の特性も知っておくべきでしょう。その辺りは、今後このブログでも取り上げたいと思います。
結論としてですが、この相談者にお答えした様に、特に何の支障も無くとも、石鹸カスは潜水艦のように洗濯槽に潜んでいるかも知れません。
皆さんも定期的な洗濯槽の掃除をお勧めします。
(文/Takeshi Tsukiyama)
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