買って初めて着た時、「暖かい」と感じたセーター。
最近、ちょっと冷たくてあまり暖かくないと感じたことはないですか?
その原因は、ズバリ、セーターの繊維表面を覆い尽くした汚れと繊維の中に入りこんだ汚れのせいなのです。
目立ったシミや汚れがないから、汚れていないと思われるかも知れません。しかし、残念ですが、
着用によって、知らず知らずのうちに全体に汚れが蓄積してしまっているのです。全体的に汚れると、
汚れていないと錯覚してしまいます。
汚れていないと思いながらも、洗濯したら、色柄が鮮明になったという経験をされた方ならおわかりになると思います。なぜ、汚れが蓄積すると暖かくなくなるでしょうか?
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その理由は、なぜ、セーターが暖かいのかを知ればおわかりになると思います。
セーターに使われる繊維素材は、主にウール(カシミア、アンゴラ等)、アクリルです。
特にウールのセーターが暖かいのは、ウールの形状にその秘密があります。
一本、一本の繊維をよりあわせて一本の毛糸にしています。
繊維にはクリンプ(縮れ)があります。
その縮れに秘密があります。
クリンプの中には、約60%の空気を含むことができます。
空気は、断熱性があり、クリンプの空気層が外気を遮断して、体を寒さから守るのです(断熱効果)。
また、ウールには吸湿発熱効果があります。
ウールの吸湿性が静電気の防止なると同様に、ウールの表面にある鱗(キューティクル)による気化熱によって暖かいのです。
このような理由でウールのセーターが暖かいのです。
クリンプ、キューティクルに汚れが付着すると二つの効果か失われてしまいます。
それが、ウールのセーターが暖かくないと感じる原因なのです。
続いてアクリルのセーターについてです。
アクリルのセーターが暖かくなくなる原因は、断熱効果の低下です。
アクリルは、ウールのように柔らかい風合いもつ繊維として開発された合成繊維です。アクリルは、ウールより保温性という点では劣りますが、丈夫で安価で色鮮やかに染色することができる合成繊維です。
難点は、ウールほど暖かくなく、静電気(吸湿性がない)が起こりやすいことです。
アクリル製のセーターも、ウールと同様に汚れると暖かくなくなります。静電気が起こりやすいことから、ウールに比べて汚れが付きやすいのも難点かもしれません。
アクリル製のセーターは、ご家庭で比較的簡単に洗濯できるで、お財布にやさしいアイテムだと思います。
洗濯後、静電気防止のために柔軟剤を必ず使うことオススメします。
いずれにしても、きちんとしたお手入をすることによって、ウールやアクリルのセーターを暖かく着用することが出来ます。
ご家庭でのウール、アクリルのセーターのお手入れについては、以下の記事も参考にしてください。
ニットを着る人には知っていて欲しい素材の特徴とお手入れ方法
http://www.idokaba.net/article/2014/11/08/24知っていますか?手洗いできるニットと洗濯のポイント
http://www.idokaba.net/article/2016/02/18/636
この記事を書いた人
亀田晋一(Shinichi Kameda) クリーニング寿 店主
目指すは「衣類のお医者さん」。品質を重視して、京都市東山区で染み抜き実績60年。地元の小中一貫校のブラスバンドの無料クリーニングも行うなど、地元の社会的貢献にも務めています。服を大切にするみなさんのお困りごとを解決していきます。
オフィシャルサイト http://www.クリーニング寿.com |
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