パート1は、タバコの煙成分は何なのか?パート2では、家庭でできる対処法そして今回パート3では、「クリーニング店の活用!」最後です。
そもそもなぜ「タバコの煙・臭いを取り除く」をテーマにしたかは、パート1で書いたように、メディアからの電話相談です。
「受動喫煙問題の専門家曰く、ドライクリーニングが臭いとるのに有効と言うが、それはなぜか?」と質問でした。
私としては「????」よく分かりませんでした。
「言ったご本人に聞けばよいのに!」とも思いますが、メディアの取材ではよくあることです。
スーツを、通常のドライクリーニングしただけでは、「本当に臭うタバコ臭いは、あまり落ちない」と思っています。洗浄後、仕上げで蒸気を掛けると、臭いがムア~と感じることがあるからです。
しかし今回調べて見て、臭いの元はいろいろな成分が混じっていることが分かりました。入念に水洗いすれば大半は取れますが、衣類によっては変形したり収縮したり、染料が出たりするリスクがあります。
洗えない衣類で次に考えられるのは、消臭スプレーで臭いを分解したり、閉じ込めたり、別の臭いで誤魔化す方法です。しかしこれでは、臭いの成分は緩和されますが、タバコの煙の微小の塵自体を取り除いているわけではありません。
逆に水分で溶け、衣類に浸透させていることになります。
そこで今回の話、クリーニング店の登場です。
下に続く
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まずドライクリーニングをして塵やその他の汚れを落とし、臭いを溶かし取るためやさしく水を通し、入念に仕上げを行うことをしています。
ドライクリーニングは、有機溶剤という揮発性の液体を使用し、衣類の中に水流(正確には液流とでも申しましょうか)を通します。
これで、衣類の「繊維生地」、言わばフィルターのような物から、タバコの煙の塵を取り除くわけです。水で入念に洗ってしまうと、ドライ表示の衣類は変形・収縮しする可能性が高いので、ドライ溶剤でそれを行うともいえます。
それでもすべてが取れるわけではない。臭いの成分は水溶性・・・だから第二段階でウエットクリーニングという「非常に弱い力の水洗い」を行い、臭いの元を溶かしだします。
そして第三段階、乾燥後さらに、仕上げる時に、良質な蒸気を掛け、とどめの消臭をするわけです。
臭消しの3段構えを行っています。
クリーニング店にご依頼で、タバコの臭いを消したいときは、一般的に「ダブルクリーニング」「汗抜きクリーニング」というサービスを依頼してもらえれば、家庭で行うどんな処理より確実に臭い・塵を取り除けます。
しかしそれでも完璧ではない。そこでようやく、受動喫煙問題の専門家のおっしゃる。「ドライクリーニングが有効!」説が出てきます。
微量だがまだ残っている塵を取り除くには、洗っても衣類の繊維を傷めない溶剤で洗う。ドライクリーニングを繰り返し、その液流で塵をさらに取ることをおっしゃっているのだと思います。
しかしそこまで行う必要が本当にあるのかは疑問です。ドライクリーニングは衣類へのダメージが少ないからと言って洗いを何回も繰り返せば、衣類は痛みます。
理論上は「生地を傷めない水以外の液体洗浄方法を何回も繰り返し、繊維の目に詰まった細かな塵を取り除くことが有効である」ことはわかりますが、現実にはコスト・時間、衣類の寿命を考えれば、非現実的なことと思います。
ミクロな汚れ、花粉・PM2.5・タバコの煙・雑菌をどこまで除去するのか?技術は日進月歩で考えられてはおりますが、さらなる研究が続く問題です。
(文/Yoshihiro Tamura)
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