衣類の表示に関しては、繊維製品対象の景品表示法や不当表示防止法で、誇大なものや虚偽の表示を取り締まっております。
以前、原産国に関して、幾つか事例を紹介いたしました。今回は衣類の機能性の話を中心に、ケアラベルやその製品を紹介したチラシ・ポスターの表記の仕方についてお話ししたいと思います。
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具体的な機能表示として、吸汗速乾性・消臭機能・抗菌防臭・保湿機能・防縮性・静電気防止・撥水機能などがあげられます。
これらの機能を表示するには、根拠となる客観的データが必要となります。その試験方法は、JIS規格のように決められたものがある訳ではなく、一般的に学会や産業界また専門家が、広く認められるような方法で確認されています。
問題はその表記方法ですが、例えば防縮性の機能でも「縮まない」と言い切るのは悪い例で、この場合は「防縮性に優れている」などと表記することを推奨されています。
更に、日本一や世界一などの表記や、「抜群の・・・」とか「すべての・・・」などの言い回しもよくありません。また景品表示法の違反を未然に防ぐため、そして消費者が公平な商品選択ができるように、各業界が自主的に適切なルールとして「公正競争規約」を制定しました。
それには「完全」「完璧」「パーフェクト」などは使用しない。「安全」「安心」は断定的に使用しない。「最高」「最高級」「超…」などは、その客観的な具体的根拠がない限り使用しないなど、これらはアパレル業界でも規制されています。
それとは別に、効能を表記することは、薬事法に抵触する可能性があります。
例えば「血行促進」や「疲労回復」「肩こり軽減」などと衣類に表記すると、全て薬事法違反となります。
医師や博士のコメントや皮膚温度のサーモグラフなどの画像を、チラシやパンフレットに乗せると、それも内容により抵触する可能性があります。
機能性表示に関してはケアラベルだけではなく、チラシやポスターそしてホームページなども対象になります。
もし、これらに公正取引委員会や自治体から指摘があれば、事業者は15日以内に表示の根拠となる客観的データを提出しなければなりません。
最後に、製品の表示に深くかかわる「PL法」について触れておきましょう。
PL法とは、平成7年に施行された製造物責任法のことで、製品の欠陥によって、生命の危険や人体への障害、財産への損害などを受けた場合、被害者はそれを立証して製造者へ責任を求めることが出来る法律で、つまりは企業や製造者の責任を明確にした法律です。
繊維製品の場合、設計上の欠陥や製造上の欠陥で、例えば金属繊維を織込んだ製品を設計して、皮膚をけがした場合の設計上の欠陥、縫製の際に針が誤って残ってしまいケガをした場合の製造上の欠陥が考えられます。
更に三つ目の要素として、表示上の欠陥が考えられます。これは製品の説明不足か、不適切な表示をしているケースですが、これは製造者のみならず、加工また輸入業者にも表示の責任は求められます。
チラシやポスターなどの表示は、消費を促すために誇大になりがちですが、それも表記に製造者・輸入業者の責任があります。また衣類のケアラベルともなれば尚更で、消費者が賢く購入をすることにより、悪質なものなどは淘汰されていくのではないでしょうか。
衣類の表示も、正しい認識を持っていただき快適な消費生活をおくりましょう。
(文/Takeshi Tsukiyama)
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