車のシートにガムが付着した時の対処で、インターネットに書かれている内容は情報過多だな〜と感じた内容です。
丁度、昼飯を食べ終わったころ、店の方の電話が鳴りました。しばらくして、デスクの内線にコールがありました。お客様からの相談だそうで、取り敢えず繋いでもらいました。
その相談内容ですが、要するに愛車のシートにガムが付いたそうで、それを取ろうとしてネットで調べていろいろ試したが、完全には取れなくてどうしたらよいかでした。
徹底的に冷やして、固まったところを削ってはどうかと申し上げましたが、それもネットにあったので、やってみたが完全には取れなかったそうです。
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ガムの主成分はポリ酢酸ビニルと呼ばれる樹脂で、比較的容易に加水分解するために、有機溶剤などで脱脂すると簡単に解かせます。相談者が「車を持っていくので見てもらえないか?」と申されますので、専門外ですが時間に余裕もあったので了解いたしました。
30分ほどして店の駐車場に、流行りの凄い高級なSRVが止まりました。内装も可成り豪華だったので、これっていくら位するのだろうと下世話なことを考えてしまいました。
シートをよく見せてもらうと、確かにほんの少しガムが付着していますが、それより気になったのが、その周辺がガムを取るために処理した跡がくっきりと残っていることでした。
話を聞くと、ネットで調べてサラダオイルで拭いて、それから中性洗剤を薄めて拭いたそうです。確かにサラダオイルはオレイン酸やリノール酸など不飽和性の高級脂肪酸で、ガムのポリ酢酸ビニルを溶かしますが、そのサラダオイルがシートに付いたらどうなるのでしょう。
おそらくインターネット上では、それを落とすために中性洗剤で洗うと言うことでしょう。しかしそれは衣類など、家庭で洗えるものにガムが付いた際の処理方法です。
それを信じて、愛車のシートで実践する方が浅はかなのか、いやしかしネットの方もどれだけの注意喚起をしているのかも疑問です。とにかくこの方には、ご自分で洗えないものは、しみ抜きできないことを申し上げました。
それにしてもネットは便利で情報も多いですが、それが故に自分で淘汰しないと取り返しがつかない事にもなります。特に、奇を衒って注目を得ようとするものは、裏付けをしっかりと取りましょう。
このシートですが、有機溶剤と揮発性の界面活性剤で拭取用の洗剤を作り、それでシートを丁寧に拭いたところ、サラダオイルの跡もきれいに取れました。
シートは有機溶剤を使用したので、完全に揮発するようにドライヤーでしっかりと乾かしました。
(文/Takeshi Tsukiyama)
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