Yシャツに限らずブラウスシャツ等もそうですが、洗濯を繰り返すと襟が縮んで、皺になったり首まわりが窮屈な思いをしたことはありませんか?
これはなぜ起こるのか?すごく縮むものと、そうでないものがあるのはなぜか?
私も不思議に思っておりました。その謎について専門家からお聞きしたのでご報告いたします。
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襟が縮む原因は、大きく2つあります。
① 襟の表地と裏地の間に芯地という素材が入っていて、襟の形状や風合いを守っております。この芯地が縮んでいる。
② その芯地は、表生地に一種の接着剤で点々と張り付けてありますので、その接着剤が仕上げアイロンの熱で一回溶けて、縮んで固まるため。
などと言われております。
その中で一番の大きく縮ませる原因は、「芯地」です。

ですので、今回はそれについてお話しします。
これは製造工程にあります。
A.芯地を作るには、一反(いったん)横91cm×縦1000mの巻物状の生地からえりの形に裁断していきます。
1kmもある生地を加工するには、たるませないように両サイドから凄い力で引っ張って加工します。
このとき通常は、

このように「縦取り」と言って引っ張った方向が首回りの長さになるように裁断するそうです。これは生地を無駄にしないように裁断できる方法です。当然コストが下がり、シャツの販売値段も安価にできる方法です。
B.「横取り」

と言って、90度傾けて取る方法です。
この方法は反物の幅が91cmと決まっているので、芯地が取れる枚数が「縦取り」に比べて少なく、使えない生地が余ってしまうため、コストが高くなってしまい。ごみも増える方法とも言えます。
C.「バイヤス取り」というのがあり、斜めに芯地をとる方法もあります。伸縮性があり、風合いは柔らかくなりますが、洗うと襟の歪みとなることが多いので、ファッション性と風合い重視の特別なシャツに使用されるようです。
以上3つの大きな方法がありますが、皆さんはどれが一番縮むと思いますか?
答えはAの「縦取り」です。

理由は、糸、生地、裁断の製造工程中、ずっと引っ張って加工された縦方向の糸が、エリ芯地の一番長い部分首まわりに使用されるので、水に濡れて糸が緩和すると、元に戻ろうとして一気に収縮するわけです。
「横取り」

も収縮しますが、襟の高さの短い方向なので同じ収縮率でもさほど変化はありません。また首が窮屈になることがないのが一番の違いです。
では、すべて芯地は「横取り」すればいいではないかとなりますが、それはそれは、お客様に提供してウケる価格帯にするためにはそうはいかないそうです。
ものすごい量を仕入れるわけですので、単価がすこしでも上ると大変な金額になるのです。
このように、芯地を作る工程でどのように裁断されたかによって、少ししか収縮しないもの、大きく収縮するシャツがあるんですね~。
で、私は終わっていけません。なにか良い手を考えなくては・・・
(文/Yoshihiro Tamura)
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