あなたの押入れ、靴箱で革製品にカビが生えているのを見つけてしまったら??
今回は、ご家庭でカビ発生の初期の症状をケアーする方法をご紹介します。
いやこの時期ご依頼が多いです。お店のカウンターで、ビニールに包まれたご依頼品を見て「ご愁傷様でした」と言いたくなる
カビた革コートを拝見します。カウンター越しにはあまり詳しくご説明すると、お客様を攻めているようになってしまうのでこの場を借りてお話します。
まず慌てないでください。
よくあることです。
恥ずかしいことでもありません。
通気性の悪い場所には、掃除してても環境がそろえばカビが生えることはあります。もともと革自体がカビの栄養源みたいなものです。
カビは、生え始め表面だけの状態か?すっかり「根」申しますか?カビの革製品への浸食して生えているかの具合でお手入れが変わります。
カビが革製品へ完全に浸食していまっている場合は、プロがケアーしても「再発したり、シミが消えない、破損(革自体が脆くなっている)、カビ臭がとれない」ことがあります。これが「ご愁傷様状態」です。
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電車内や人混みなど
マスク着用を気にする場面など「エチケット用」として最適
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(1)カビの生えたものを風通りの良い場所に隔離するため移動します。(胞子が室内に完全には無理ですが、なるべく飛び散るのは避けてくださいできれば屋外に)
(2)カビを見つけた場所の他の物にカビが生えていないか良く確認して、あったら先ほどの場所に移動してください。その場所をしっかり風を通して乾燥させる!風の通りが悪いところは扇風機を運び込み、扉を開ける。除湿機があればその場所近くを除湿してもいいです。
(3)隔離したカビの生えた革製品を、乾いた綺麗なタオル・雑巾で丁寧に拭き取ってください。使用後は布は捨ててください。
(4)カビが綺麗になったら、しばらく屋外で乾燥させます。
(5)次は硬く絞った濡れた布で表、裏の全面を拭き取るとよいのですが、製品によっては色落ちするので要注意、衣類の裏面裾などの目立たないところで、色落ちしないかテストしてください。色落ちしないようなら優しく拭き取ります。
(6)しばらく屋外で乾燥させます。
(7)ここで、カビの染みが十分に落ちていない、カビ臭がする場合は、胞子が飛ばないようにビニール袋に包んで、クリーニング店に相談した方がよいです。
(8)カビ臭も、カビの跡も残っていないようなら、再発防止策です。革に合ったケアークリームを薄く伸ばすように布で拭きながら塗ってあげます。(クリームは革に洗浄効果・保湿・柔軟性を与え、カビの再発を抑制します。生えないことはありませんのでご注意を)
カビを革から完全除去することは不可能に近いです。カビを殺すには熱や薬品を使用すればよいのですが、そうすると革がボロボロになってしまうからです。
プロは、革専用の洗浄剤や、保護剤で洗浄し、整形して干し、抗菌剤やクリームを使用して予防や風合いを戻すことができるお店もあります。さらにカビによる色抜けを染料・顔料で塗り直したりすることもあります。
革はもともとひどい汚れを除去する力に耐えられない素材です。カビの侵食具合で手を施しても力及ばすといこともあります。カビ臭も完全には抜けないものもありますのでご了承ください。まずカビが生える前に、耳にタコかもしれませんが、
・保管場所の通気性、除湿に心がける。
・春から秋にかけて、晴れた日に乾燥した布で全面乾拭きする。
・1年に1回は洗浄・保護クリーム(無色なら革靴用でもいいです。)などを伸ばして丁寧に塗る。
お手入れすれば、長持ちしますよ!
(文/Yoshihiro Tamura)
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