新しいジーンズを買うと、必要になるリフォームが「裾上げ」です。
日本人の平均身長が高くなってきたのに合わせて、股下も長くなってきたとはいえ、裾上げをせずにジーンズを買える人はまだまだ少ないですね。
今回は、ジーンズソムリエのあやが、「ジーンズの裾上げの違い」についてお話します。
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シングルステッチとは、一般的な縫製方法として多用されており、家庭用ミシンもシングルステッチです。
1本の上糸(針糸)と、1本の下糸(ボビン糸)の2本の糸を、布の中央で絡み合わせて縫い目を形成しています。縫い目の伸びが少ないため、伸びの大きな生地には向きませんが、ほつれにくく丈夫です。
チェーンステッチとは、表からの見た目はシングルステッチと同じですが、裏はチェーンのように見えるステッチ方法です。
上糸(針糸)と下糸(ルーパー糸)が、二重に交錯して縫い目を形成しています。縫い目に伸縮性がありますが、シングルステッチよりほつれやすいです。チェーンステッチは、1か所糸が擦り切れると、その場所から一気に全てほどけてしまいます。
ジーンズの裾上げで使用される縫い方は主にこの2つです。
ヴィンテージジーンズでは、独特の味を出すチェーンステッチが適しているとも言われています。
写真を見比べると、両方ともアタリは出ていますが、アタリの出かたが違うのがわかりますか?チェーンステッチの写真の方が、ねじれも加わり、より激しくアタリが出ています。
これは、チェーンステッチの糸は、綿糸が使用される事が多く、洗濯を重ねると縫い目に伸縮性があるので、綿糸がデニムと一緒に縮み、独特のねじれやアタリが出て、色落ちが楽しめます。
一方、シングルステッチでは、スパン糸(ポリエステル糸)が使用される事が多く、縫い目が伸びないため、洗濯により糸の縮みがありません。つまり、アタリが出にくいといわれています。
ただし、ヴィンテージ加工を施したジーンズは、チェーンステッチで裾上げしても、アタリはなかなかでません。
裾のアタリは、デニムのねじれや縮みによって発生するので、デニムが完全に縮んでしまっている場合は、チェーンステッチで裾上げしても、アタリが出る事は少ないでしょう。
主な裾上げ方法は、生地をカットして、最初と同じように3つ折りで縫うのが基本ですが、裾のダメージを残したい場合は、もともとの生地を残したまま移植する方法もあります。ただその場合は、ロールアップで履く事が出来ませんのでご注意くださいね。
裾のアタリを出したいなら、生ジーンズを買って、ワンウォッシュ後に、チェーンステッチで裾上げするのが一番です!!
長年履き続ければ、ねじれに、アタリがでてかっこよいジーンズに成長してくれますよ。
![]() ファッション大好き!大手アパレル企業・染み抜き屋を経験し、数々の想い入れのある衣類のケアをおこなう職人。現在は、福岡市を中心に、染み抜き、染色、デニムリペア、リフォームなど、洋服のトータルメンテナンスで活躍中。 オフィシャルサイト http://niyaho.blog.jp/ |
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