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お洗濯
2016/04/15

洗剤・洗浄時間・水温・洗濯物種別など、理想の洗濯条件とは

イドカバネット

今日は理想の洗濯について、洗剤から洗浄時間・洗濯温度などを科学的に考えてみたいと思います。



本記事のまとめ

★洗剤をたくさん入れてもきれいにならない
★洗剤の投入量は守ること。
★洗浄時間は短い方が逆汚染を防げる
★洗浄時間(洗い)は7−8分が理想
★洗濯水温は40℃までが適切
★ポリエステルやレーヨンと綿・麻などを一緒に洗う事はさける



下に続く


 

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★最初に洗剤について

一般的な洗濯洗剤は界面活性剤(洗剤)に助剤・酵素・蛍光増白剤等が配合されています。これらは界面活性剤に対して、ビルダー(相乗効果)をもたらして洗浄力をアップしています。

洗剤を沢山入れれば、もっと洗浄力がアップするのか・・?といえば、答えはNOです。

むしろ逆効果で洗浄力をダウンさせます。

何故なら、洗剤に配合されている、これらの界面活性剤・薬剤などが、配合のバランスを崩し、互いに相殺現象を起こして効果が低下するからです。

例えば、界面活性剤の濃度は0.1%ぐらいが効果を発揮するのですが。界面活性剤の濃度が高いと、酵素や酸素系の漂白剤の反応をスポイルしてし、界面活性剤の濃度が0.1%では酵素や漂白剤がうまく働きません。

ですから実際には、各メーカーとも0.03%程度に為るように設定してあります。これにより界面活性剤と各薬剤の濃度のバランスがとれて高い洗浄力を発揮するのです。つまり、洗剤を沢山入れても綺麗にはならないのです。そればかりか洗剤の入れすぎは排水の際に水質汚染をもたらします。洗剤の投入量は必ず守りましょう。


★次に逆汚染について、考えてみましょう。

逆汚染とは洗濯中で、一度繊維から落ちた汚れが再び繊維に付着してしまう現象です。では、なるべく逆汚染をしないような洗濯は、どのようにすれば良いのでしょうか。

洗浄時間や水温は逆汚染と密接な関係があります。洗浄時間は長ければ長いほど逆汚染を誘発しますので、出来る限り短時間で洗うのが逆汚染に対してはベストです。

では、しっかりと汚れを落として逆汚染を最小限にとどめるには、どの程度の洗浄時間が理想なのでしょうか。

汚れ落ちのテストの結果では、5分までは汚れは落ちますが、5分を越えるとほとんど変化がありませんでした。すると5分と言う事になりますが、もう一つポイントがあります。

洗剤が水に溶け込み、ミセルと言う状態になって洗浄力を発揮するにも、時間が掛かります。

これは洗剤の種類や水温により異なりますので、一概には言い切れないのですが、2~3分くらいが目安と思われます。従って、洗浄時間は7~8分となります。ひどい汚れなら、その部分をもみ洗いしてから洗濯するか、二度洗いするのが有効と考えられます。


★次に水温について考えましょう。

水温10℃から40℃までは、皮脂汚れの洗浄力がアップします。それから60℃までは横這い状態となります。

しかし、60℃を越えると一気に洗浄力がアップします。これは40℃の時点で脂質の融点に達するために、一つのピークに達し、それから60℃を越えると、脂質の溶解が80%を超え再び洗浄力がアップします。

これだけを見れば、温度の高い方が洗濯には有利のように思われます。しかし、高温で洗濯した場合、逆汚染を促進してしまう傾向にあります。これは繊維が温度により膨張してしまい、繊維のより内部に汚れが入り込む恐れが在るためと、元々ポリエステルなどの合成繊維は、高温では逆汚染しやすい性質があるからです。

もう一つ高温の温水が不利な理由に「60℃を超えると、酵素の分子が変形してしまい反応しなくなる」また「非イオン系界面活性剤は60℃を超えると、洗浄力を失う」など洗剤そのものの働きを低下させてしまう可能性があります。さらに繊維によっては高温に耐えられない繊維も存在します。

洗浄温度は40℃までが適当でしょう。


★最後に、洗濯する素材や、それに対しての洗剤の種類について、何もかも一度に洗うのは間違いです。しかし、大型の洗濯機が普及した昨今、一度に一日の洗濯を全部洗ってしまう方、が結構いらっしゃるのではないでしょうか。

まさかインナーとアウターを、一緒に洗う方はいないと思いますが、色・柄と白物又は綿・麻のセルロース繊維と、シルク・ウールなどのタンパク繊維とでは使う洗剤も洗う方法も違います。上記で少し述べましたが、ポリエステルやレーヨンなど逆汚染しやすいものと綿・麻などを一緒に洗う事はさけた方が良いでしょう。

綿・麻などの白物の場合は、粉末の弱アルカリ洗剤か液体の弱アルカリの洗剤で洗浄時間は7~8分まで、汚れがひどい場合は事前にもみ洗いするか二度洗いしましょう。洗剤の投入量は、メーカーの指示通りにして下さい。

温度は40℃くらいがベストですが、一般家庭で常時温水を使うのが難しい場合、もしくはポリエステル・ポリエステル混紡と一緒に洗うので在れば常温でもよいでしょう。但し、冬場など水温が著しく低い場合は、溶けやすいヘビー系の液体洗剤を利用するのも良い方法でしょう。

ウール・シルク等デリケートな繊維は中性洗剤(ドライマークが洗える洗剤の中性洗剤)で、基本は手洗い洗いしましょう。

これは洗濯機などの機械力では、回転を落とすとそれに比例して洗浄力も低下してしまいます。これに対して手洗いの場合は、強弱様々な力を加えられて、汚れや必要な状態に応じて必要な力のみ加える事が出来できます。従って家庭でのデリケート洗いは、手洗いをお勧めします。水温は人肌程度を目安として下さい。

アウター・コート・ジャケット等は、品質表示に従いドライクリーニングを指定してある物はクリーニング店へ依頼し、家庭洗濯する場合でも型くずれを防ぐために、中性洗剤で弱回転の短時間で洗う事をお勧めします。


(文/Takeshi Tsukiyama)













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