「表地:ウール100%」など、ニット生地の表地のダウンジャンバー・コートには取り扱いに要注意を!
このサイトでもご家庭でのメンテナンスを紹介しておりますが、この時期お手入れすべきはダウン製品です。しかしこの製品だけは一般的なお手入れ法は、通用しないのでお知らせいたします。
中綿であるダウンボールは、針の穴ほどでも吹き出します。水と同じくらい極小の穴からでも吹き出してくるのです。
通常は「ダウンパック」と言って中のダウンを出さないように密閉された袋に入っており、その上から、ポリエステルやナイロンなどのツルツルの光沢のある密閉力ある表地でさらに吹き出しを抑えています。
それでも少しダウンが飛び出るのが現実です。縫製してある糸の縫い目から出てくることが多いです。

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そんなダウン製品ですが、最近は、表地がウールのニット生地、ジャージ生地の伸縮性のある生地で表地が作られている製品が販売されています。
つるつるの光沢のある化学繊維の表地のダウンは、高級ダウンとして人気を博し、その後ファストファッションがこれを模倣し大量生産されました。そこでファッションにこだわった方には、一風変わったダウンジャンバーやコートが求められたのだと思います。そこで出てきたのがニット・ジャージ表生地のダウン製品です。今日でも高額製品が多いです。
しかし伸縮性が問題です。表地が着用や洗濯で伸びたときに生地網目も伸びます。
そのとき「針穴からも吹き出すダウンボール」が飛び出してくるのです。完全に飛び出して、どこかに飛んで行ってしまえばいいのですが、ウールなどの生地は、スケールという「うろこ状」の引っかかりがあり、生地から生えた状態で止まります。

そしてこれを抜こうとすると、ティッシュボックスのように、引っこ抜くとまた、新しい羽毛(ティッシュ)が飛び出し、無言地獄に陥るわけです。あまりやりすぎると、中綿のダウンは目減りしてしまいます。
さてこれは製品上の問題ですので、着用中にも発生します。しかし下手に洗おうものなら、洗いの水流や、脱水時に含んだ水が絞られるときに、ふんわり感を戻そうとタンブラー乾燥した時に、のべつ幕なしに出てしまうわけです。
ですので、ご自分で洗濯機などで洗うのはやめた方がよろしいかと思います。つけ置き洗いでも、押し洗いや、十分な脱水も行えません。よくネットに記載されている「ダウンジャンバーを自分で洗う」というような記事の内容はこの製品にはあてはまらないのでご注意ください。
ご自分でメンテナンスしたいときは、この点にご注意を、
①とにかく汚さないように着用してください。
②襟・袖口・脇など汚れやすいところは、小まめに良く絞ったタオルで軽くたたき洗いしてください。
③数回着用しているだけでダウンの吹き出しが目立ったら、メーカーに相談してください。
④吹き出したダウンが少量ならコロコロやガムテープ等の粘着する製品でペタペタとその個所からダウンを取り除いでください。数回繰り返し、どんどん出てくるようならその作業はやめて、メーカーに相談してください。
⑤そういう製品であること納得し、高級である証拠「繊細なダウン」だから吹き出すのだと思って着用してください。

ダウン製品がトレンドの今、ファッションを楽しむ方が、質感の違う表地のダウン製品を求めるは当然のことと思います。しかし今回記載した製品の特性だけはご承知いただいてお洋服を楽しんでいただければと思います。
(文/Yoshihiro Tamura)
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