Yシャツの襟や袖、前立てがだんだん「くすむ」ことはありませんか?(原因探求編)
今年はYシャツメーカーの方と縁がありまして、Yシャツのクリーニングについて情報交換をしております。
最近、親しくして頂いている担当者から「ご相談したい」と頻繁に来店していただいています。
しかしそれが「ある問題」ばかりなのです。
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宅配・保管クリーニング(ラクリ)
それが今回テーマの襟、袖、前立てのまだらの「くすみ」です。
正直、1〜2回のシャツ着用・洗濯でなるならメーカーに問題あると思いますが、半年から数年使用されてからメーカーにクレームを申し出るのは、他業界の者としていかがなものかなと思います。それでも、真摯に「原因究明と解決方法」を模索されるメーカーは、お客様に誠心誠意対応してるのだと感心します。
それはさておき、結論から言いますと、この原因は「家庭洗濯での逆汚染」です。
「逆汚染」とは、本来「きれいにする」はずの洗濯が、適量の洗剤より少ない時や、適量でも「汚れのひどい品物」と洗われたために洗剤量が不足したときに起こります。
洗剤量が不足するとなぜ汚れるのかというと、
(1)洗剤はもともと、衣類から出た汚れを、水に抱き込んでくれ、排水、脱水時に水と共に取り除く能力を持っています。
(2)しかし洗剤量が不足すると、衣類から出た「汚れ」が水に抱き込めなくなる。そしてどこにも抱き込まれない「汚れ」が水中にたくさん存在してきます。
(3)汚れは、水よりくっつき易い場所(安住の地)を求めます。(心からではなく、化学的にです。)
(4)再度くっつき易い、洗濯中の衣類生地に染まってひと安心してしまいます。これが「逆汚染」です。
さきほど、「再度くっつき易い衣類生地に染まってしまう」と書きましたが、この一番くっつき易い部分がYシャツでいう、硬くてしっかりした襟・袖・前立て(前ボタンのところ)です。
この部分は、衣類の構造上、生地が何層にもなって厚くなってますよね。生地もさることながら、この部分は変形しないように、「芯地」(しんじ)という別生地も入っていて、さらに、それがずれないように樹脂の接着剤で止めてあります。
専門用語で「トップヒューズ芯」ともいいます。
結構多くてYシャツの8割程度はこの構造をしているのです。特に「樹脂接着剤」が使用されている場所だけが汚れている状況です。
これは「洗濯洗剤の油脂を溶かす力」や、繰り返されるアイロンなどの熱により「少し溶けては固まり」を繰り返しています。また時間とともに劣化する運命なのです。それが原因で「べたつき」、汚れを吸収しやすくなっていると推測されます。
洗濯上手の人なら原因はおおよそ現象が発生している部分を見るとわかると思いますが、今回多かったのは、「襟の部分だけ」なのです???
袖、前立ては比較的きれいです。なぜ襟だけなのか?意外と長くなりましたので、それはまた次回私の回でお書きします。
(文/Yoshihiro Tamura)
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