イドカバネット

秋も深まり、朝夕めっきり寒くなりましたね。

そろそろ暖房器具を使い始める頃ですが、この季節になると脳裏をかすめて気になることがあります。
　
少し前の話ですが・・・。

いつもスポーツジムで一緒になるお兄さんから「洗濯してクローゼットにしまってあるのに、いつの間にかシャツなどが黄色くなるのだけど・・。」と相談を受けました。

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黄ばみと聞くと思いつくのが、洗濯で皮脂分が落ちきらないのが原因で、それが時間と共に酸化して黄ばむケースでしょう。

これに対しての解決方法は、漂白剤を使用して洗濯するなり、つけ込み洗いをするように答えるのが一般的なようです。

しかし、クローゼットやタンスにしまっておいての黄ばみの発生に関して、じっくりと原因を調べると、実際にはそれ以外に様々なケースが存在しているようです。

このお兄さんの場合、ワンルームのクローゼット・冬場はガスファンヒータ使用・・・・となると気がかりなのは、窒素酸化物の発生による変色・黄変の可能性が考えられます。


窒素酸化物とは酸性ガスの一種で有毒です。

酸化窒素ガスによる繊維製品への変色については、一般的にはあまり知られていない様ですが、しかしこれはまた場合によっては厄介なものです。

酸化ガスに適度な水分が存在すると、衣類や繊維製品は酸性にシフトします。窒素酸化物も然りです。窒素酸化物が水に溶けると硝酸に変化します。

そして、これが衣類に悪さをすると考えられます。
　
色柄もの場合、染料が酸により影響を受けた場合は変色・退色が考えられます。白い衣類を黄変させる、黄ばみのメカニズムは、窒素酸化物が直接関与する以外に何パターンか存在するようです。

１つは、BHTと呼ばれる酸化防止剤の関与です。

酸化防止剤とは、物質の酸化を防ぐために使用されるモノで、化粧品からポリ袋・ハンガーやクローゼットの塗料などにも使用されています。
それが窒素酸化物と影響し合うことで、衣類に黄変が発生する可能性があります。

他に考えられる事例として、クロラミンの発生による黄ばみです。クロラミンとはタンパク汚れの一種で、それに水道水の塩素濃度や、汗などからのカルシウムが関与して、いろいろ悪さをするようです。

例えばサプリメントなどからアミノ酸の摂取が多いと、それも何らかの関与は否定できません。
　
その他で今ではまれなケースかも知れませんが、動物が関与しているケースもあるようです。例えばネズミなどの排泄物や、もっと小さな虫などが排泄や体液なども事例としてあります。

これらの防止策は、何よりも換気とその方法です。

ガス器具使用の祭には、定期的に換気をされるとおもいます。

しかしクローゼットやタンスの中は、即座に空気が入れ替わりにくいでしょうから、ファンヒーターを切った後からでも影響が残ることも考えられます。

頻繁にクローゼットやタンスを開けて、空気を入れ換えましょう。そして衣類の虫干しも有効な手段です。定期的に行ってください。

そして水分を多量に含んだ衣類を、そのままクローゼットに仕舞わないようにしましょう。湿度の管理も大切です。
　
昨今は酸化防止剤も、開発が進み可成り安定した性質のものが使用されて、変色の原因になることが少なくなっているようです。但し、その種類は沢山あり、様々な製品に使用されているので、その組み合わせは膨大です。

全く原因不明で、黄ばみなどの変色が繰り返されるようであれば、それを疑ってみてください。

（文／Takeshi Tsukiyama）

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