洗剤の性能と、その有効性について
洗濯洗剤についてよくある質問で「洗剤って洗浄性能に違いがあるのか? 何を使っても同じじゃないの・・・?」と、聞かれることがままあります。
確かに100均でさえ、洗濯洗剤が売られている時代です。それに対して高性能洗剤と称する洗剤が、その価格の差ほどの違いがあるのか、はたまた大して変わらないのか、それを比べることはあまりしないと思います。
但し、一部のクリーニング屋さんからも、この様な声が聞こえるのは気がかりです。中には洗濯洗剤に大して差はないと、言い切る強者もいらっしゃいます。毎日、洗濯を生業としているクリーニング屋さんですので、洗剤の性能が認識できないのは如何なものかと思うのですが…。
何故このように認識されてしまうのか…、それに思い当たる節がございます。
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宅配・保管クリーニング(ラクリ)
数年前の話です。高性能のランドリー用洗剤を、各クリーニング店それぞれの洗い方で洗浄評価テストを行いました。
これには10社ほどのクリーニング店に、ご協力いただきました。
その結果は、各社の洗浄力はバラバラでした。
好成績を収めたクリーニング店もあれば、かなりレベルの低い洗い上がりの店もありました。
高性能で高価な洗剤なのに、低い洗浄性能しか出せなかったお店としては、この洗剤の洗浄力を見出せない訳で、言い換えれば何を使用しても同じと認識されてしまうかもしれません。
そもそも何故、このような差が発生したのでしようか。
理由はいくつか予想できます。
例えば洗剤の投入量の間違いや、洗濯物の入れすぎや、水の量が多すぎる少なすぎなどです。しかし、それ以外にも洗剤の特性を把握できずに、その洗剤をスポイルしてしまった可能性もあります。
この洗剤は、酵素系の洗剤でした。洗剤の酵素は、その使用される温度に敏感で、最も効果の高い温度は40℃です。そして60℃を超えると、酵素の効果は無くなります。
クリーニング店はランドリーで温水を使います。石けんをメインに使うクーニング店は高温の温水を使用する店も多いです。もしこの洗浄テストの洗剤に、60℃またはそれを超える温度で使用していたのなら、普段はキレイに洗えていても、この洗剤に関しては洗浄力を引き出せなかったと推測できるでしょう。
わかりやすいのでクリーニング屋さんを例にしましたが、洗剤にそれぞれの特徴を実感できない方は、今一度その洗剤の使い方などを確認してください。
実はこの話は奥が深く、洗剤や洗濯物・水の量だけではなく、水質や洗濯物の汚れの質に至るまで関連します。
一つのポイントを改善すれば、その洗剤の潜在能力が引き出されて、普段のお洗濯が驚くほど改善される可能性もあります。
その辺りの踏み込んだお話を、次回以降から掘り下げてお話ししたいと思います。
(文/Takeshi Tsukiyama)
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