洗剤の使用量
お洗濯での洗剤の入れすぎは逆効果だという話、聞いたことがございませんでしょうか?
結論から申しますと、実はそのとおりで、洗剤を入れすぎてもよいことはあまりありません。むしろ状況により、洗浄力の低下や不都合が発生する可能性があります。
ただ、この話を極めて行くと結構奥の深い話です。それを出来るだけ、簡単に説明したいと思います。
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界面活性剤との関わりまずは、界面活性剤から考えていきましょう。
界面活性剤とは、洗剤の主成分で汚れを落とす働きなどをします。この界面活性剤は、ある一定量が水の中に入っていないと、その洗浄力が働きません。これを難しい言葉で「臨界ミセル濃度」に達していない状態といいます。
そこから界面活性剤の濃度が高くしていくと、ある限界を超えたところで洗浄力が上がらなくなります。この値が界面活性剤の経済有効濃度となります。
一般的に洗剤の入れすぎがダメな理由として、この経済有効濃度の話をされているように思います。
しかし洗剤は、界面活性剤だけではありません。その他の成分が含まれており、洗剤を多く入れるということは、それらの成分も多く入ることになります。洗剤の成分には、互いに相乗効果をうむものと、相殺効果が働き互いにダメにする成分があります。
ひとつ例えれば、アルカリ剤と酵素は相性が悪く、アルカリ高くなるとが酵素をダメにします。もし洗剤を多く入れたらアルカリが増してしまい、そのために酵素が働き難くなります。つまり洗剤の量は、洗濯機に入れた際に、それぞれの成分がベストなバランスで働くように設定してあります。
実際に1990年に、被服生理学「洗剤の量と汚れの落ち方」では、洗剤が0.1%以上になると、徐々に洗浄力が低下したデータが発表されました。また、蛍光増白剤入りの洗剤などは、蛍光増白剤入りすぎると白いものがくすんでしまいます。洗剤の量にもよりますが、多く入れると影響を受ける可能性もあります。
ドラム式洗濯機の場合昨今の濃縮系洗剤は、あまりにも高濃度なので使用量はシビアに計らなければなりませんが、実際のデータを見ると、洗剤を規定より多く入れる人よりも、むしろ少なく入れる人の方が多いみたいです。
その原因として、家庭用洗濯機が大型化する傾向にあり、その中でもドラム式が増えてきたためが考えられます。
ドラム式は洗濯物の量に関わらず、ほぼ水位は同じなので水の量は変わりません。でも洗濯物が少ないと勿体無いと思うのか、洗剤も少なくする傾向があるようです。
これは間違いです。洗剤の量は、水のように対して計りましょう。また汚れのひどいものは、洗剤を多く入れるのではなく二度洗いしましょう。
(文/Takeshi Tsukiyama)
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