おとうさんへ「ありがとう」を伝えたい。
6月21日の父の日を前に、似顔絵と作文で文部科学大臣賞を受賞し、お父さんへ「最高のプレゼント」を贈りました。
MFU一般社団法人日本メンズファッション協会、および、FDC日本ファーザーズ・デイ委員会は、6月3日(水)東京パレスホテルにて、第26回、父の日「お父さんの似顔絵」「お父さんへの作文」コンクールの文部科学大臣賞受賞者表彰式を開催。
日本全国から、似顔絵は約2500点・作文は約1800点の応募があり
似顔絵の部は
園田心海(そのだここみ)さん・小学2年生・鹿児島県
作文の部は
狩野智子(かのうともこ)さん・34歳・群馬県
がそれぞれ受賞されました。
下に続く
電車内や人混みなど
マスク着用を気にする場面など「エチケット用」として最適
呼吸がしやすく、蒸れないクールエアマスク「Be*AIR」
似顔絵「ちゃちゃっとピラフを作るシェフのとと」
作文「父と私の秘密」
本文はこちらです
(読みやすくするために、改行してあります)
「父と私の秘密」
「アイスでも食べるか?」
父はニヤリと笑って、駄菓子屋に車を停めた。
そうして私に好きなアイスを選ばせ、自分は決まってモナカのアイスを買う。
私の小学生当時、これが父と私の密かな楽しみだった。
小学校の入学前健診で「先天性乱視」と診断された私は、六才で眼鏡をかけ始めた。
今でこそ眼鏡の小学生は珍しくもないけれど、当時は少数派。学校ではからかわれ、あだ名を付けられ、牛乳瓶底のような分厚いレンズは、私の顔にも心にも重くのしかかった。
私の両親は、この子の目を何とかしようと必死だったと思う。
車で片道二時間の、『○○研究所』と名の付くような眼科のパイオニアに、月に二回程父に連れられ私は通っていた。
診察は平日なので、私は学校を早退し、父は職場に半休を取り通った。この眼科の帰りに、父と私はこっそり駄菓子屋へ寄ってアイスを買うのが習慣だった。
当時家では、倹約家の母が大容量のバニラアイスしか買ってくれなかった為、父に買ってもらうアイスがとても贅沢で格別なものに感じられた。そして父とふたりだけの秘密を共有しているようでワクワクしたことをよく覚えている。
肝心の私の目の方は、様々な検査をし、視力回復のトレーニングのようなこともしたけれど、特に効果は出なかった。
「また視力が下がった」などと医師に言われれば、父とふたり責められているような気持ちになった。
たぶん父は、そういうどんよりした気持ちを少しでも軽くする為に、アイスを買ってくれたのだ。
当時の父は働き盛り、会社を休むことも往復四時間の運転も負担だっただろうけれど、いつも父には穏やかな優しさがあった。
視力回復は見込めないと両親が判断したのか、いつしか眼科通いはなくなり、私は思春期と同時に反抗期を迎えた。
父に対しても八つ当たりし、ひどい言葉をぶつけた。中三の受験期、一度だけ父に激しく叩かれたことがある。もうそれは、父に暴言を吐いた私が百パーセント悪く、父には何の非もなかった。
叩かれている体の痛みよりも、父の悲しみがダイレクトに伝わってきて、心が痛かった。
あの時父に叩かれて、私は自分を省みることができ、気づいたこともたくさんあった。だから父には感謝しているのだけれど、父は私に手を上げたことを二十年経った今でも後悔していて、思い出すのも辛いのだと、最近になって母から聞いた。
驚いたと同時に、私は本当に父に対して申し訳ない気持ちになった。父は、友人や親戚に「よっちゃん(父)は本当に穏やかで優しいなあ。」と言われる度、私を叩いたことを思い出して涙ぐんでしまうのだという。
「そんなの、私が悪かったんだから気にしないでって、父さんに言っておいてよ。」とわざと軽い口調で言った私に、母は苦笑いしながら、でも真面目な顔で答えた。「親っていうのは、そういうもんじゃないのよ。」
親子の関係は近いようで遠く、年々切なさが増してゆく。子が親の気持ちを理解できるようになるには、何て長い時間がかかるのだろう。
実家の冷凍庫には、もう大容量タイプのアイスはなく、父が変わらず好きなモナカのアイスが並んでいる。
それをかじりながら私が昔の話を切り出したら、やっぱり父は泣いてしまうのだろうか。
昔共有した、ささやかで楽しい秘密と、各々が胸にしまっている秘密。
娘に手を上げたことを悔やみ続けている父と、父にそんな思いをさせていることを悔やむ私。
それでも、甘く軽やかに溶けていったアイスのように、いつか父の心を溶かしたいと思っている。
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表彰式では、両親と一緒に壇上に上がり
喜びの笑顔と、作文の朗読では父母娘ともに涙ぐむ場面も。
園田さん、狩野さん、おめでとうございます。
MFUおよびFDCでは
経済的困難から学業を断念せざるを得ない方々に奨学金の貸与をおこなっている「あしなが育英会」へ。また、不幸にも両親を失ったり、近年では児童虐待から社会的養護を受けて生活せざるを得ない方々への支援をおこなっている「全国里親会」へ、
それぞれチャリティー寄付が行われました。
ご自身の奨学制度利用を含め、チャリティー寄付への感謝の気持ちを、桜美林大学2年横田麻由さんが述べました。
MFUの八木原理事長は
「今年も父の日を通じて、お父さんへの感謝の気持ちを表すとともに、コミュニケーションがより深まるように。また、MFUは数多くの活動を通じ『夢と勇気と元気と希望をお届けし、わくわく・ドキドキ・感動をもってもらって、日本全体を明るく元気にしていきたい!』と会の活動意義を表現しながら挨拶しました。
お父さんの似顔絵部門
文部科学大臣賞 園田心海さん(小学2年生)鹿児島県「ちゃちゃっとピラフを作るシェフのとと」
FDC会頭賞 松田まさるさん(78)千葉県「「若き日の父(戦争で断筆)」
金賞 西山怜来さん(年中)大阪府「いつも笑顔の優しいパパ」
銀賞 澤田智恵さん(76)高知県「懐かしい父」
銅賞 柏紅緒さん(小学3年生)茨城県「ロックンロールをおどるお父さん」
佳作 内山みなもさん(年長)北海道「おとうさんのだっこでゲラゲラ」
佳作 加治舞子さん(年中)石川県「ゴミをだしにいくパパ」
お父さんへの作文部門
文部科学大臣賞 狩野智子さん(34)群馬県「父と私の秘密」
FDC会頭賞 中山沙香さん(小学3年生)東京都「大好きなお父さん」
金賞 山本由美子さん(年齢未記入)大阪府「父とオセロ」
銀賞 太田真穂さん(10)三重県「交かん日記と三つの約束」
銅賞 大西賢さん(41)東京都「四十一歳の男の子より」
佳作 石原節子さん(69)岐阜県「天国の父ちゃんへ」
佳作 増田陽太さん(小学5年生)広島県「楽しみにしててねお父さん」
★似顔絵部門
山藤章二氏
お母さんにいわれてゴミだしをするお父さん、画面からはみ出さんばかりに元気なお父さん、音楽に合わせてひとりでに踊り出すお父さん・・・みんな「大好き」がいっぱいに溢れていて、どれも大好きな絵です。
川津裕介氏
今年は老境に入られた方々の心の中に、今なお燃え続けるように在る「お父さん。大切。もっといきていて欲しかった。」というお気持ちに胸が熱くなりました。ご応募下さったお一人おひとりに心からお礼を申し上げたい気持ちです。
松谷孝征氏
3歳から78歳まで様々なお父さんの思いが描かれていて選考に困りました。戦後70年という事もありましたが、小さい子供を優先しました。
江川達也氏
今回特に印象に残ったのは、ご老人の方が、多分今は亡き父の姿を絵にされたことです。しかもその絵の絵印象が妙に心ひかれるものに仕上がっている。子どもの絵も、お父さんたちの気持ちがとても伝わってきて、楽しい思いで一杯になりました。
★作文部門
畑正憲氏
今回は粒よりの作品群でした。とても楽しく読ませていただきました。オセロの下り面白かった。
篠沢秀夫氏
父親であることの楽しさを感じます。どれも素晴らしい作品で、選出に苦労しました。
鈴木光司氏
「大好きなお父さん」「父の背中」「天国の父ちゃん」など、タイトルの容易作品は、内容も平凡になりがちである。具体的なエピソードをもとにして、より伝わりやすく構成に工夫を。
イドカバネットでは、似顔絵と作文の作品募集しております。
第27回お父さんの似顔絵・お父さんへの作文コンクール募集要項はこちら
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![]() ゼンドラ株式会社・代表取締役 クリーニング・テキスタイルレンタル業界の専門新聞社。当サイト「イドカバネット」の運営を行ないながら、洗濯の楽しさ・クリーニングの素晴らしさを伝える。最近は、洗濯サービスと他業とのコラボレーションを研究し全国を奔走している。 オフィシャルサイト http://www.zendora.co.jp |
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