西日本は早くも梅雨入り…ジメジメとした季節になりました。
この時季、洗面所にかけておいたタオルのニオイが気になること、ありますよね。
こまめに洗っているはずなのに嫌なニオイがするのは、
タオルで繁殖した雑菌が原因です。
保温性・保湿性・吸水性の高いタオルは、
他の繊維製品に比べて菌の繁殖率がケタ違いに高い性質を持っています。
通常の家庭洗濯では、ある程度汚れは落とせても菌を完全に除去することはできず、
それが湿った状態、あるいは梅雨時の高い湿度の環境下では、
あっという間に菌が繁殖して嫌なニオイの元となってしまいます。
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電車内や人混みなど
マスク着用を気にする場面など「エチケット用」として最適
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最近は、除菌洗剤などニオイ対策として様々な製品が出てきていますが、
では、業務用のタオルを扱うプロはどのような洗濯をしているでしょうか?
商業洗濯においてタオルは、法律で消毒が義務付けられている
「指定洗濯物」に定められています。
この指定洗濯物を取り扱うには消毒ができる設備と届出が必要で、
その届出施設は全国のクリーニング事業所(約25,000)の中でも3500ヵ所ほどしかありません。
しかも、そのほとんどは病院や介護施設、ホテル等にリネンを供給する専門工場のため、一般のクリーニング店ではほぼ、タオルなど指定洗濯物は扱っておりません。
では、指定洗濯物を取り扱う工場では、タオルをどのように洗濯・消毒しているかというと、簡単に言えば「熱湯消毒」です。
洗濯脱水の時間約40分のうち少なくとも10分間は、
洗濯水の温度を80℃以上に上げて洗っています。
この「80℃・10分」が法に基づいた消毒方法の一つになります。
(加えて、除菌漂白効果のある次亜塩素酸や過酢酸なども使用しています)
(80℃以上の高温で消毒・洗濯ができる業務用洗濯機)
洗濯の際に「消毒」をしっかりしているから業務用タオルはニオイもなく衛生的で、
病院やホテルでも安心して利用できるのです。
(衛生的なタオルが毎日、病院やホテルに供給されています)
では、ご家庭でこの熱湯消毒をする方法としては、
例えばおしぼりやふきん、ハンドタオルなど小さなタオルでしたら鍋で10分程度煮沸し、その後そのまま乾かすか通常の洗濯をすればいいのですが、
バスタオルとなると鍋では厳しいので、
浴槽に熱いお湯を張ってしばらく漬け込むのがいいかと思います。
(やけどには十分注意してください)
(鍋にお湯を沸かして煮沸消毒)
給湯で80℃が難しければ、60℃くらいでもある程度の効果は得られますが、
漬け込む間、お湯を足すなど温度が下がらないようにして、
できるだけ「80℃・10分」に近い状態にできれば、
ニオイの問題はかなり改善することができます。
(浴槽で熱いお湯にタオルを漬け込む)
ニオイのない清潔なタオルで梅雨を乗り切りましょう。
日笠京介(Kyosuke Hikasa) ゼンドラ株式会社・取締役 リネンサプライ工場の取材をメインに、全国(たまに海外も)を飛び回るが、最近はコロナで出張もできず飲みにも行けず、悶々と過ごしている。愛犬(バーニーズ)が唯一の癒し。 |