業は、クレームが多い産業と言われます。
クレームの内容は様々です。
もちろん、クリーニング側のミスで不良品となるケースもあるのですが、
例えば、次のシーズンになって着ようと思ったら―
「思っていた仕上がりと違う」「色が落ちたような気がする」
「風合いが変わった」「少し縮んだかも」…など、
ある意味感覚的なクレームもあるようです。
衣類は着るたびに、クリーニングするたびに徐々に劣化していくものです。
もしお客様のキレイの基準が「新品」であるならば、
クリーニングの仕上がりに100点をつけることは難しいかもしれません。
もちろん、クリーニング店もプロですから、
繊維を傷めないように、色が落ちないように配慮しながら
極力、キレイになるように洗っているはずですが、
それでも新品には戻りません。
キレイの基準って難しいですね。
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宅配・保管クリーニング(ラクリ)
業務用のリネンも高い品質が求められます
同様に、ホテルや病院にシーツやタオルを洗って届けているリネンサプライでも、クレームはあります。

(業務用のタオルやシーツも高い品質が要求されます)
シワがある、白がくすんでいる、ほつれがあるなどクレーム内容は様々ですが、
洗っている工場では、白いリネンをより白くするために洗浄処方を工夫したり、
仕上げの際には、シミや汚れ、破れなどの不良品をカメラで検知し、
自動的に排出する検査装置も使われています。

(シーツをたたむ機械。品質検査の結果がモニターに表示されています)
それでも、クレームはなくなりませんが、
クレームゼロを目指して品質向上の取り組みが続いています。
欧州工場の厳しい品質基準、しかし…
では、海外ではどうでしょうか?
数年前に、ドイツのリネンサプライ工場を見学しました。
ここが、厳格な品質基準のもとに衛生的なリネンを生産していることは、一目瞭然でした。

(品質基準、衛生管理が徹底されているドイツの工場)
ただ、日本からの見学者が少し不思議に感じたのは、
例えばシーツにシミが残っていたとしても、
それは品質としてOK、クレームにならないということです。
厳しい基準のもとに洗浄、仕上げられた品物だから、
多少のシミがあっても品質には問題がなく、
清潔でキレイだというわけです。
キレイの基準って難しいですね。
この記事を書いた人
日笠京介(Kyosuke Hikasa) ゼンドラ株式会社・取締役
リネンサプライ工場の取材をメインに、全国(たまに海外も)を飛び回るが、最近はコロナで出張もできず飲みにも行けず、悶々と過ごしている。愛犬(バーニーズ)が唯一の癒し。 |
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