もうあと約1年後、見慣れた衣類の「取扱い絵表示」が変更されます。
でも「何で今頃そんなこと騒いでいるの?」とお思いの方も多いと思います。
なるべく簡単に理由をご説明します。
下に続く
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経緯
まず20年も前の1995年、世界貿易機構(WTO)で、「これからグローバルな輸出入がもっと盛んな時代になる」ので「世界的な貿易の邪魔になっていることは無くして行きましょう!」と決まりました。
その一つに「衣類の取扱い絵表示を変えなくては!」という問題が生まれたのです。
その会議での取り決めの内容は
(1)自分の国の製品規格を輸出する国に押し付けちゃだめ!(日本人にしかわからないような取扱表示はだめ!)
(2)輸入先がわざと分からいように、輸出する国が有利になるように規格を作っちゃだめ!
(3)国際的に通用する規格を作らないとだめ!
なんてことを決めたのです。
すぐに変更できればよいのですが・・・・・国家間のいろいろ問題がありました。
いままで変更できなかった主な理由(衣類の取扱いに関して)
(イ)各国で主に家庭洗濯で使用されている洗濯機が違う!ヨーロッパはドラム式、アメリカはアジテータ式(日本式の洗濯層の真ん中に棒がある)、日本はパルセータ(上から入れる洗濯層)と言われています。いまたくさんありますが。
(ロ)ユーロ圏発、国際標準規格を作った「ISO」(国際標準化機構)がありますが、衣類の洗濯後の自然乾燥するという概念がなかった!ダンブル乾燥が主流だったので!
(ハ)「ISO」で使用されている絵記号を使いたかったけれど、商標権があり、使用にお金がとっても掛かるので使えない。
こんな感じです。
しかしISO(国際標準化機構)も年月が経ち、アジア圏の人が幹部になるようになり会議での発言権が増して行きました。上に書いた3つの問題を会議と検討を重ね取り除いてくれたわけです。
ISOの修正時と日本のJIS修正時に、お互い良い点をすり合わせるという変更を重ね、今回の日本の新しい絵表示は、ISOと同じ記号を使い、世界の人が見れば大体意味がわかるように日本語を一切使用しないように変更されました。記号が意味すること、品質を保証する試験内容もほぼ同じ様にされています。
そして絵柄も商標権の問題も取り除き使用できるようになり、現代の家庭洗濯事情に近づいたわけです。
日本の新しいJISが国内で実績を今後積んで行くと、今度はISOがそれを参考にまた今後変更を加えて、さらにお互い近づいていく予定です。
この交渉をした方々を国内の会議で拝見しましたが、そりゃもう交渉が立派!分厚い資料を持って、日本語・英語ペラペラ、論点ズバリ!規格にうるさいドイツ・アメリカ・中国・韓国の代表と世界の会議でやり合ってきたのですから、日本人の「すごさ」を感じました。
このように20年も掛けてスッタモンダして「日本の規格」が新たに決まった背景には、関係者の長年の努力があり敬意を払わずにはいられません。
(文/Yoshihiro Tamura)
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