アクリル繊維はアクリロニトリルという石油から作られている繊維で、19世紀末に発見されました。これを繊維化に成功したのが1944年で、日本では1956年~1959年にかけてポリエステル繊維とともに生産されるようになりました。
特にポリエステル、ナイロン、アクリルが「3大合成繊維」と呼ばれ、特にポリエステルは生産量が断然多く、衣料品を中心に様々な分野で使用されています。
アクリルはアクリロニトリルの質量割合が85%以上の重合物からなる繊維で、アクリル系はその割合が35%以上85%未満のものをいいます。
合成繊維の中ではもっとも羊毛に似ていて、柔らかく、温かみのある肌触りの繊維で、きれいな色に染めやすく、また糸自体にふんわりした加工(バルキー性、かさ高性)が出来るのでセーターや毛布などにもよく使用されています。
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では、アクリルたわしってどんなものなのでしょう?
これは、アクリル100%の毛糸を使って編んだ、食器洗いやお風呂洗いに使うスポンジの代わりになるものです。
このアクリルたわしで食器などを洗う時に洗剤が要らないし(または少なくてすむ)、また作るのも簡単で自分好みの大きさや形にでき、費用も安価ですむので一時大ブレークしたことがありました。
もちろん♪今でも愛用されているかたは大勢いらっしゃいます。^ ^
普通、油汚れは台所用洗剤を使用して洗います。洗剤の成分は界面活性剤、安定剤、PH調整剤です。
界面活性剤は洗濯用洗剤の成分でもありますが、水になじむ「親水基」と油になじみやすい「親油基」(疎水基)からできていて、油汚れには「親油基」がくっついて汚れを包み込み浮かせます。
また、普通だと分解してしまう水と油を界面活性剤の働きで混ざり合うことができます。このことを乳化作用(エマルション)といいます。
《布に付いた汚れが落ちて行く様子=界面活性剤の働き》
http://www.tokyo929.or.jp/column/washing_cleaning/1.php
図は東京都クリーニング生活衛生同業組合ホームページより引用しました。
《水と油が界面活性剤により乳化作用が起こっている様子》
http://www.kao.com/jp/qa_cate/clothcleanser_04_02.html
写真は花王株式会社ホームページより引用しました。
アクリルたわしは先ほども書きましたように材料はアクリル100%の毛糸を使用します。
アクリルの原材料はアクリロニトリルという石油なので、毛糸に親油性があるために油と仲がよく、また、毛糸の細い繊維が細かい油汚れも吸着するのできれいに落とせる、というわけです。
でも、実際に使ってみて感じますが、やはりギトギトの油汚れには到底太刀打ちできませんので、あらかじめ新聞紙やキッチンペーパー、ヘラなどを使って油汚れを取っておき、お湯を利用するか、少量の洗剤を使用して洗う方がいいと思います。
現在使用されている洗剤は、日常の生活で使用する量では健康被害を受けることはないとされていますが、やはり分解されにくいという事実もあります。また、洗剤に含まれる界面活性剤は、皮膚の角質に作用して肌荒れを引き起こすことがあります。
加えて排水問題等もありますので、過剰な使用を避けるためにも、食器を洗う時にはやはり余分な汚れは先に取り除くことなどをして、体にも環境にも優しい気遣いや工夫をするのはいいかも、ですね。
着なくなったアクリルのセーターがあれば、ぜひお試しください。
![]() 洋裁や手芸が大好きな生粋の関西人♪ 繊維製品品質管理士の資格を活かすべく地道に奮闘中! |
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