新型コロナウイルスの感染拡大がパンデミック=世界的な大流行になったとの認識をWHO(世界保健機関)が示してから既に1年半ほどが経過しましたが、日本国内では現在も感染者数が増えており、終息までまだまだ時間がかかる模様。
オリンピックが盛り上がる一方で、引き継ぎ一人ひとりがしっかりと感染対策に取り組んでいかねばなりません。
感染対策としては、マスクの着用やアルコールを始めとする手指の消毒など、様々な方法がありますが、実はクリーニングでも、「抗ウイルス加工」(お店によって名称が異なるケースもあります)というメニューを設けて、より衛生的なクリーニングを提案しているお店があります。

▲コロナ禍が長引き、消費者の関心が高まっていることもあり、クリーニング店で導入が広がる「抗ウイルス加工」
それらのお店では、クリーニング業界の大手化学メーカーが開発し、しっかりと公的な検査機関でエビデンスのとれた加工剤を使って、加工を行っているんです。
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電車内や人混みなど
マスク着用を気にする場面など「エチケット用」として最適
呼吸がしやすく、蒸れないクールエアマスク「Be*AIR」


宅配・保管クリーニング(ラクリ)
クリーニングに出すアイテムと言えば、ドライクリーニングをする品物が多いと思いますが、ドライクリーニング用、水洗い用、それぞれの加工剤が存在します。
ちなみに、ウイルスの構造は、粒子の中心にある核酸と、それを取り囲むカプシドと呼ばれるタンパク質の殻で構成される「ノンエンベロープタイプ」(ノロウイルスやアデノウイルスなど)と、その外側にエンベロープと呼ばれる脂質膜を持つ「エンベロープタイプ」の2種類に分けられ、世界中で感染が広がっている新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、後者の「エンベロープ」ウイルスに属するそうです。

▲ウイルスの構造は2種類に分けられ、新型コロナウイルスは「エンベロープ」タイプ(日華化学(株)の資料より)
東証一部上場の大手化学メーカーである日華化学(株)がクリーニング業界向けに発売している「オーリスシリーズ」は、エンベロープの突起が細胞に吸着し、細胞内部へ入り込むことで増殖するところ、オーリスが繊維に付着したウイルスのエンベロープに作用することで、ウイルスの数を減少させるとのことです。
具体的な効果について、同社では、「未加工布と比べたウイルス感染価の残存率は0.01%以下と、生地上のウイルスを99.9%以上低減させることが、外部機関による抗ウイルス性試験で分かっている」としています。

▲「オーリス」で加工した繊維を未加工布と比べると(日華化学(株)の資料より)

▲ウイルスの数が減少するメカニズム(日華化学(株)の資料より)
新型コロナウイルス感染防止のためには、なんといっても飛沫対策が重要となりますが、電車等の公共交通機関をよく利用する人など、色々と気になってしまったりしませんか?
コロナ禍で消費者のニーズが高まっていることもあり、「より衛生的なクリーニング」を提供しているクリーニング店も増えてきました。関心のある方は、いつものクリーニング店に相談してみてください。
※新型コロナウイルス感染症患者や濃厚接触者が使用した洗濯物は、持ち込まないでください
この記事を書いた人
中澤孝治(Koji Nakazawa) ゼンドラ新聞・LBM(ランドリービジネスマガジン)編集長
クリーニング業界紙の記者として業界にかかわる様々なデータ収集と分析、最新の業務用機器や資材の動向、クリーニング店の技術革新などについて取材活動を行っている。が、自宅の洗濯機の使い方が分からない(*^_^*) |
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