私が住む埼玉県さいたま市浦和界隈は、その昔画家を目指す方が多かったという逸話があるのを聞いたことがあります。
実際歩いてみると、子供のころから画廊や額縁屋・美術館などをよく近所で目にするのはそういう意味だったのかもしれません^^
弊社本店より徒歩3分の立地にある“浦和センチュリーシティ”(テナントである浦和ロイヤルパインズホテルが有名です)内にある、うらわ美術館もその浦和の文化的な側面を受け継ぐ存在ですが、衣を取り扱うものとして、現在の開催展『縫い その造形の魅力』展は、是非見ておきたい内容!と思い、先日足を運んでみました。
JR浦和駅方面から見ると、旧中仙道側からの入口を入ってすぐ、この時期には毎年楽しませてくれる、巨大なツリーが玄関で迎えてくれます。このツリーを後にし、さらに先に奥へ進んだ左側に美術館入口へのエレベーターが現れます。

(以下、パンフレットより抜粋した展示会概略)
『針と糸で形づくられる裁縫や刺繍。いままで〈美術〉の枠組みで紹介される機会はなかなかありませんでした。しかしながら~略~それらが造形として大いなる存在感を示していることがわかります。刺繍のもつ絵画性、裁縫によって生み出される面や存在感、それを支える高度な技術と合理的かつ創造的な精神は、様々な縫物から見出すことができます。他方、「縫い」の領域は伝統的に女性たちがになってきました。そこには、独特な生命感と伝承継、素朴な生活感情が豊かにあるいは切実に表されてもいます。』会場は写真撮影禁止のため、展示物の説明はここではできませんが、私が見た中で印象的な二つをピックアップしてみます。
●火消半纏(ひけしはんてん) 現代と違い、昔は火事を食い止める際には防火服というのはもちろんありませんでしたから、街の火消には相当な勇気と気力が求められたようです。火消は、着た半纏の上から水を被り、火の海の中に飛び込んでいく。
会場には、背中に大胆なデザインが施された火消半纏がいくつも展示されていますが、その並んでいる様子というのは、少しぞっとするくらいの「霊力」があるような気がしました。火消半纏のデザインは、年々豪華になっていったようです。(参考
http://omatsurimuseum.net/event/2/)
火消というのは文字通り命がけの仕事ですが、現代よりもさらに過酷な状況だった時に、半纏のデザインに火消たちが力を借りていたかもしれない事実があったことは、想像しやすいですね。
●袱紗(ふくさ) 現在でも冠婚葬祭で使うものとしての需要がある袱紗ですが、会場では刺繍を施し、絵画性を引き出した袱紗の紹介があります。金品等を覆ったり隠すことで、礼節や相手への敬意を表しています。
展示物の袱紗の刺繍について、数十年前には、刺繍ミシンや加工技術というのも現代ほど発達はしていないはずなので、全て手仕上げになると思いますが、一針毎に込められた気持ちの重厚感を感じる一枚一枚でした。
●会場の作品を鑑賞しての感想私は衣類を扱うとはいえ、その作り手ではないのですが、昔の人たちの、この一点一点に対しての、それぞれ一針一針についての想いを肌で感じとれるような展示会でした。
ひとつひとつが、ファストファッションや大量生産の中には絶対に見れない一品であり、これから時間が経つにつれてなお、価値を高めていくものたちなのだろうと思いました。
年末年始、少しゆっくりと時間がとれそうなときに、いかがですか?
以上、イドカバネットライターの榎本がお送りしました。
詳細は以下URLからご覧ください。
http://www.city.saitama.jp/004/001/002/005/urawa/p043324.html
この記事を書いた人
榎本香代子 つるやクリーニング(清香株式会社)
さいたま市で80年以上続く、つるやクリーニングの四代目跡取り。通常の一般衣類クリーニングと並行して、衣類のリサイクルにも取り組んでいます(衣類買取・リユース・リサイクル・リメイク)。地域の中にある、衣類の洗いから循環までのニーズを受け止め活かす方法を、模索しています。
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