初詣や成人式、これから春に向けては卒業式や入学式など、着物の出番が多いシーズンになります。
着物は、着た後にきちんとお手入れをし、保管方法にも注意をしないと、傷みが出やすいものです。大切な着物をきれいな状態で保つためにも、着用後のお手入れと正しい保管方法を覚えておきたいものです。
着物を着た後は・・・
(1)日陰干しする
すぐにたたまずに、衣紋掛けに掛けて、日陰に一日ほど干します。陰干しして湿気を取り除くことで、着物の大敵であるカビの予防にもなります。
(2)状態を確認する
汚れが付いていないか、かならず確認をしましょう。
・泥はねが付いていた場合
乾いていることを確認し、着物用ブラシでやさしく払います。
・ファンデーションの軽い汚れが付いていた場合
着物用ブラシでやさしくブラッシングした後、ベンジンを含ませたコットンでたたきます。こすると生地を傷めるので、たたくのがポイント!
★汚れは、変色、カビ、虫食いのもと。着物は生地自体が繊細で、染めや刺繍、箔など特殊な技法で柄が付けられているため、自宅での取り扱いが難しいものです。汚れを落とすのは、着物の知識のあるプロにまかせたほうが安心です。
着物のクリーニング
着物のクリーニング方法には、丸洗いと洗い張りとがあります。
【洗い張り(水洗い)】 着物の縫いをほどき、一度、反物の状態にしてから、全体を水洗いします。クリーニング代のほかに解き代がかがり、仕立て直しをするための仕立て代もかかります。費用や仕上がりまでに時間はかかりますが、広い範囲に汗などの強い汚れやシミがある場合は洗い張りをしたほうが綺麗になる場合もあります。
【丸洗い(ドライクリーニング)】 着物専用のドライクリーニング機で、全体を丸洗いし、汚れが強い部分は、しみ抜きをします。丸洗いをするので、解き代などはかからず、洗い張りに比べて費用は安く、仕上がりまでの時間もかかりません。

着物の保管方法
着物の保管で注意したいのが、
“虫”と
“湿気”です。
着物の素材である絹はそれ自体が虫の餌になりますし、汚れがついていればなおさら虫に食われやすくなります。
また、湿度が高い状態では、着物にカビが生えます。汚れがカビの原因になるほか、着物の柄付けに使われた糊剤が栄養となり、まだ着用していない着物にカビが生えたという事例も聞いたことがあります。
これらのことから、保管前のクリーニングが重要であることはよくわかります。
(1)虫対策
防虫剤を使用します。防虫成分は空気より重いガスなので、防虫剤は必ず、着物の上に置きましょう。
(2)湿気対策
着物(衣類)用の乾燥剤を使用し、定期的に虫干しをしましょう。
着物の保管には桐箪笥が良いと言いますが、これは桐が湿気を吸収してくれることと、虫を寄せ付けにくい性質があるためです。
また、密閉性が良いという点で、乾燥剤を入れた茶箱で保管するという方法もありますが、いずれも着物の保管のためだけに準備するのは難しいものです。
そこで、ぜひ利用してみたいのが、クリーニング店で着物やドレス向けに行っている専用パック(名称は、クリーンパック、レインボーパック等、クリーニング店によって異なります)。
酸素を通さない特殊フィルムで包装し、一度、酸素を抜いてから窒素をふき込み、パックするものです。真空にしないので、たたみジワはつきませんし、脱酸素状態で密閉するため、着物をカビや虫、変色などから守ってくれます。
これなら、難しい着物の保管も安心してできますね。
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