「袋から出して保管して下さい」って言われたことないですか?
クリーニングに出した洋服。返却の時、綺麗なビニール袋に包まれて帰ってきますよね。
透明なカバーや半透明のカバーなど利用するクリーニング店でも、色々な種類のカバーで帰ってきます。
ところでそのカバーについてクリーニング店でこんな注意を聞いたこと無いですか?
「このカバーは持ち帰り次第、はずして下さい」と言われたり、店のカウンターのこのような注意書きを見ませんか?
よく読むと
「カバーをしたまましまうと変色することがあります」
「え?」
「クリーニングしたのに変色するの?」なんて思いますよね。
それが実にまれですが、そのようなことがあるんです。
その原因の一つがビニールに配合されている「酸化防止剤」なんです。
この成分を配合することで、ビニール自体の変色や劣化を防ぐ役割があります。
なので全てのビニールにはこれが配合されています。
でもこれだけでは洋服の変色には影響しません。
もう一つの原因成分は「酸化窒素ガス」通称NoX(ノックス)という成分です。
これどこかで聞いたこと無いですか?
排気ガスなどでどれだけ空気が汚れているか?その指標にこのNoXがどれだけ発生しているかで判断するそのガスです。なので屋外にはこれが少なからず存在します。
でも最近の日本車は、このガスの発生量がかなり少なくなりました。
なのでちょっとした空気の入れ替えやお店から家庭までの間の持ち帰り。これぐらいでは洋服が変色することはありません。
では、カバーしたまま保管してもいいじゃんと思いますが、実は家庭内でこのガスが発生する場合があります。
それはこれから活躍する「石油ストーブ」や「石油ファンヒーター」これから窒素酸化物のガスが発生します。
このガスが部屋中に暖気と共に充満し、もちろんカバーをしたままの袋の中にも入ることがあります。
それがビニールに含まれる酸化防止剤と反応して洋服を変色させる。そんなことがあるんです。
クリーニングから戻ったらカバーははずす事をお勧めする理由はこれだったんです。
「でもカバーをしてないと肩にホコリがたまって汚れる」
そうですね。他にもクローゼットに入れて置くとシワになる。カバーをしていないとこんなこともあります。
それは洋服同士が重なった時、摩擦が大きいのでシワになりますが、ビニールのカバーをしておけば摩擦が緩和されシワになりにくい。そんなメリットもあります。
「でもカバーをしたままじゃ駄目でしょ?」
そのような時にお勧めのカバーがこれ。
これは不織布といわれる素材で作ったカバーです。
原料は透明なビニールと同じPPという原料なのですが、細かな繊維状のものを重ねてシート状にしたものがこれです。
一枚のビニールと違い通気性が高いことが特徴です。
摩擦を防ぐのでシワになりにくい。通気性がいいのでガスによる変色にもならない。
クローゼットにしまわれた夏物のジャケットやスカート。
来年も気持ちよく着るためにカバーもこだわってみて下さいね。
(文/Hideshi Mihara)
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