前回は「クリーニング店の裏側(1)」として、お店での検品作業を紹介しました。
今回はその第2弾、工場編をお届けしたいと思います。
クリーニングの仕事において、最も重要な作業は「チェック作業」であると前回も述べましたが、それはクリーニングの現場作業に置いても同様です。
洋服をきれいに洗い上げること、シワを伸ばしてシルエットを整えること、この2つがクリーニング工場での主な目的なのですが、それ以外にもお客様の洋服に対する気遣いの差が出るポイントがいくつか存在します。
クリーニングの現場というと...バンバン洗って、ガンガンアイロン掛けをしている現場を思い浮かべるかも知れません。
ですが、クリーニングの作業場ではそれ以外のところに手間ひまをかけているんです。
その全てはお客様の満足のため、感動を与えるためです。
コロコロ粘着式のクリーナー、いわゆるコロコロです。
クリーニング工場にとって、ビニール包装の摩擦やタンブラー乾燥で発生する静電気は作業と品質のジャマする大きな敵といえます。
そして、せっかくきれいに洗い、形を整え仕上げても、静電気によってホコリが付着ていてはお客様に感動を与えることはできません。
多くのクリーニング店では、アイロン掛け担当者、または包装の担当者がコロコロを使ってこのホコリを除去しています。
また、ペットを飼っているお客様の場合、衣類に着いた毛を店舗の検品時に取っている場合も多いんです。
ブラッシングウールの衣類は素材表面の毛並みによって、見える印象が大きく変わってきます。
そこで、クリーニング店では専用のブラシを使い、毛並みを整えることで衣類の風合いをできる限り買った時の状態に近づけています。
このブラシ、高いものは馬毛使用で2〜3万円ぐらいと、お店によってこだわりの一品を使っていることもあります。
いいブラシは特にアンゴラ・カシミヤ製品を扱う場合に差が出るようです。 このように、クリーニング店で細かなところにも配慮しながら、お客様の衣類をケアしています。
自分の利用しているクリーニング店がどんな気遣いをしながら、扱ってくれているのかに注目すると、自分にピッタリのクリーニング店がみつかるかも知れませんね。
(文/Tomoyuki Masuko)
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