1~2月の一番寒い季節。少しでも薄着でファッショナブルに、かつ温かく過ごしたいですよね。
そこで今日は、ダウンジャケットやコートなどの温かさを効果的に復活させるお洗濯、「中間洗い(ちゅうかんあらい)」のお話です。
最近は、除菌消臭スプレーで洋服のにおいを除去しただけで着用している若者が増えているようですが、なぜそういう現象が社会で起こるかというと、そもそもの「洋服を洗う意味」をご存じでないのではないでしょうか?
私は生まれた家がクリーニング屋だったため、親から「きれいにアイロンがかかった洋服を着なさい」と厳しく言われる環境で育っているのですが、電車に乗っている20代と思われる綺麗めのお姉さんが、メイクをきちんとしていても、着ているトレンチコートがしわしわだったのを見て少し残念に不思議に思ったことがあります。
実は、洗うことは汚れを落とすだけではないいろいろなメリットがあるのです。そこで、普段なかなか考えるようで考えることのない、『洋服を洗う意味』について、まとめてみました。
(引用元:東京都クリーニング生活同業衛生組合「中間洗いのススメ」より)
こちらのサイトでは、時間の経過による、汚れの付き方の推移が実験データを基に、まとめられています。
汚れが付いたかわかりにくい濃い色の服だとしても、汚れはしっかり目に見えなくても溜まっていくんですね!数値化したもので見ると、洗いの必要性がわかってきちゃいます。そして、汚れが溜まりに溜まった最終形の洋服は「冷たく、重くなる」。
この表、なんかリアルにこわいです。
またそのほかにも、洋服を洗わないと、衛生上・洋服の寿命上・そして人間の精神上にも、弊害が出てきてしまいます。
通気性が悪くなる。
保温性が悪くなる。
吸湿・吸水性が悪くなる。
垢や細菌が付着している。
虫食いやカビの原因になる。
外観を悪くする。
傷みやすくなる。
型崩れしやすくなる。
光沢や色が悪くなる。
繊維が弱くなる。
周囲の人間に不快感を与える。
衣服が湿っぽく、重く感じられ、さっぱりした気持ちになれない。
汚れた衣服を着ていると行動が消極的になる。
こうしたまとめを見ると、除菌消臭スプレーだけでは、確実に洋服にとって良くないことがわかりますよね。
3月あたりになって、気温が暖かくなり始めると、クローゼットの整理をし、それに合わせてクリーニング店に衣類を持ち込む方も多いと思いますが、洋服の汚れ度合いを考えると、前の年の秋ごろから着始めているコートや上着などは、2月頃は冬シーズンの中間地点で、丁度汚れがしっかり溜ってきている頃です。
年間で一番寒さが厳しいこの季節ですが、汚れが溜まった衣類の特性「冷たく、重くなる」ことを考えると、この時期に洋服を洗うことが「寒さ対策のひとつ」にも繋がると思います。ぜひ、この時期に、『服洗い』おすすめします!
洗うと温かさが違いますから。
以上、クリーニング師の榎本がお送り致しました^^
(文/Kayoko Enomoto)
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