寒い時期には、ついつい世界の暖かそうな場所に旅したくなってしまいます。
世界の暖かそうなイメージの国って色々ありますが、今回は、私が実際に行ったこともある、アフリカ編。
前回 『 世界の愉快なお洗濯事情②香港編 』 からの続きのような内容になりますが、まずはアフリカの持つ背景からご紹介します。
人口は10億人(アフリカ全土で)、ダイヤモンドや石油などの豊富な資源があることから、世界各国から援助の要請があります。
なかでも、アフリカよりも人口の多い中国(人口13億人)は政治的な内政不干渉を唱えながらも、援助してくれる立場をとっていることから、アフリカからは歓迎されているようです。
インフラ整備や飲食店の運営も中国人がするなら、チャイナタウンもあちこちにでき、中国人の雇用が増えます。その中には、クリーニング店も含まれているようです。
こちらのサイトもご参考にしてみてくださいね。
池上彰と歩くアフリカビジネス「新参者ニッポンにチャンス!」
http://special.nikkeibp.co.jp/as/201207/africa/prologue.html
中国のクリーニング事情は、『世界の愉快なお洗濯事情②香港編』で書いてあるように
「洗衣店」という看板が付いたお店が主ですが、洗衣店は、いわゆる洗濯代行形式が多いようです。
もしかしたら、アフリカの都市部にあるクリーニング店も、似たような形態が多いのかもしれません。
実際、私がアフリカ(ケニア)に行ったときには、まだ自分がクリーニング業に就いていなかったため、あまりアフリカの洗濯事情について意識的には見ていませんでした。
覚えているのは、マサイ族の方々が住む村に行った際に、家の中に水場がないこと。
…ということを考えると、現地の洗濯事情としては現在でも昔ながらの手洗いをしていることが濃厚です。
数年前の資料ですが、手洗いをしている風景を見つけました。
おそらく今もそれほど変わりはないかと。
http://ameblo.jp/takahashi41/entry-10687809627.html
洗濯はもちろん、生活用水としても、水質の改善に課題があることは確かなようです。
ちなみに私が旅をした時は、比較的暑くもなく寒くもない7月でしたので、日数分の衣類を確保したうえで、少しだけ自分で洗濯したように記憶しています。
昼は汗ばむときもありましたが、夜は少し寒すぎて驚きました(なにしろ、ホテルに湯たんぽが用意してあったのです)^^;
洗濯をする前の問題として、水質や、それに伴う近隣住民の衛生上の問題。日本でのクリーニング事情がとても恵まれていることがわかりますよね。
衛生上でいうと、アフリカ(ケニアの場合)で気をつけなければいけないこととして、まず蚊に刺されないようにすること(ケニアに渡航する際には黄熱病の予防接種が必要。日本から蚊取り線香も持参しました)。
そして、サファリツアーに参加するゲストにありがちだそうですが、日本の動物園で動物を見る感じでむやみに野生動物に近づかないようにしてください(遠くにいる動物でも、猛ダッシュで近づいてくる場合があり、命の危険があります。穏便に見える動物でも注意が必要)。
泊まっているホテルの周りにも、野生動物は普通に生息していたようです。猛獣に襲われないように、ホテルの周りには電熱線が張られていました。
また、歴史をさかのぼると、アフリカでの日本人クリーニングの歴史が見える資料も見つかりました。
岩崎貫三さんという方が、1900年頃に南アフリカのナタールという場所に、洗濯屋を開業しました。どこの世界にもパイオニアといわれる方がいらっしゃいますが、今から100年以上も前に未開の地・アフリカで洗濯屋を開く日本人というのは、なかなか勇気がいったのではないでしょうか。こういう方は、同業の先輩として素直に尊敬します。
『アフリカに渡った日本人』
http://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/14/1.html
水質の問題を背後に抱えながら、現代でも昔ながらの手洗いをしているアフリカの方々。それでも現地の方々の一番の特徴は、屈託のない、素直な、暖かみのある笑顔でした。
マサイの人々が住む村には夜、ひとつだけ灯り(炎?)がともります。
彼らの暖かい笑顔とは対極の、夜の完全なる漆黒の闇。そして見上げると、それまでに見たことのない星の数と、流星群。
私の目から見たアフリカという場所は、とても陰陽がはっきりしているように、思いました。
たとえこれから各国からの援助が増えて、より住みやすく豊かなアフリカになっていったとしても、アフリカの他にない特徴は、いつまでも残っていてほしいなと、思うのでした。
(文/Kayoko Enomoto)
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