スーツはどうしてドライクリーニングが必要なのか。
わかっているようで実はわかっていない、ドライクリーニングの「ドライ」ってなあに?
最近ドラッグストアなどで販売されるようになってきた洗剤の中に、「ドライマークのものが家庭で洗えます」とうたってあるものがあります。
工場見学を受け入れている弊社でも、【ドライクリーニング】ってなんだろう?という声を見学者の方から聞くことがあり、ドライクリーニングの実態が、業外の方に知られていない実態を知ることがあります。
そこで今日はドライクリーニングについて、【本当のこと】をお伝えしちゃいますよ^^
ドライクリーニングの「ドライ」はウェットの反対語の「乾燥」の意味で、水を使わない・水分を含まないことを意味しています。
なので、お水で洗わないクリーニングなんですね。
この時点で冒頭の「ドライマークのものが家庭で洗えます」というのが、本来の意味と違うことがわかってしまいました(笑)
では水ではなく、何を使っているのかというと、「有機溶剤」と言われるもの。
これを使ってクリーニングすることにより、お水で洗った際に生じ洋服に悪さをする、下記の現象を軽減することができるんですよ。
・セーターなどの毛製品が毛羽立ってしまった。
・衣服の形が崩れてしまった
・衣服が縮んでしまった
・衣服の色がにじんでしまった
・衣服の風合いが変化してしまった
お洗濯に失敗すると、こんな現象よくあるある!ですよね。
でも有機溶剤ってなんでしょう。それは簡単に言うと「油」
水ではなく油で洗うのです。
そのため、油成分の強い汚れ(わかりやすい例だと、中華料理の食べ汚しや、油性ペン等)は、水で洗うクリーニングよりもドライクリーニングのほうが落としやすいと言えるんですね。(もちろん、しみの種類や時間の経過により、クリーニングとは別途しみ抜き作業が必要な場合もあります)
・ウールや合成皮革のように、水で洗うことによって固くなってしまう繊維できた洋服。
そして
・色泣き(色がにじむ)や色移りが予想される、原色カラーの洋服。
(特に海外生産品は染色堅牢度(染の基準)が日本と異なるがゆえ、色の変化には注意したいです)
そしてこの時期に一番着まわすことが多いであろう
・スーツ
スーツもやはり、洋服の型崩れを防ぐ効果の高い、ドライクリーニングすることをおすすめします。大事な商談や気合を入れたいシーンに、よれよれのスーツでは締まらないですからね^^;
ここまで読んでいただくと、洋服一点ずつについて、クリーニングの受付で「これはドライクリーニングで、これは水洗い」と分けなくてはいけないのか~?? という気になってしまうかもしれませんが、生産管理がきっちりできているクリーニング店なら、通常、洋服の裏側に付いている「洗濯表示」の指示通りに洗浄しています。
なので、その洋服にとってベストな選択肢はプロに任せていただいて大丈夫ですから、安心してくださいね^^
春は洗濯も楽しい時期ですが、家庭で洗濯するときに初めて洗濯する洋服などは、特に洗濯表示を確認して、家庭で洗うものと、プロに任せたほうがいいものの選別をきっちりして、洗濯時間を楽しんでくださいね。
あなたならきっと、できる♪♪♪
(文/Kayoko Enomoto)
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