さいたま市でクリーニングと衣類のリサイクルを手掛けている、榎本がお送りします。
年の瀬が迫ったこの時期、大掃除や片づけを早い段階から始めていらっしゃる方も多いと思います。すっきりしたお部屋で新しい年を迎えたいものです!衣類を含めた、家の中の「もの」の整理、進んでいますか?
「もの」は自己表現であり、思い出であり、生きてきた証。
そのために、時が経つと増えすぎたり、片づける必要が出てきます。
ただここで自分を追い込んでしまう理由として、ものを「必要か不要か」の二択でとらえてしまう方が多いかもしれません。強制的に二択で選びきれないものが意外と多いことに、そこで気づくのではないでしょうか?見た目もすっきり、心もすっきりになる、整理整頓の準備を始めましょう♪
(出典『捨てる勇気 残す覚悟(主婦の友社)』)
問題はものの量ではなく、持ち物を把握できていないこと。
【ステップ1 心の整理】
まずは、整理しながら自分自身の心の整理から始めます。
・必要か不要かは、「決める」のではなく、「わかる」まで待つ。
・着ていない服は3秒ルールで「必要」「それ以外」に分ける。
整理を始めると、「必要」と「不要」はすぐわかると思います。
ただ、「どちらなのかわからないもの」については、どちらかわかるまで、無理をして“決めない”。
無理して「不要」と決め、捨ててしまったりするとストレスや後悔、リバウンド(不要なものを溜めこむ)します。
迷う物は、「必要」か「不要」か、ストンと腑に落ちてわかるまでそのままにしておいていいし、本当に実感するまでこだわればいい。
最初から完璧を目指すと、できないときに挫折してしまいます。少しずつで、いいのです。
【ステップ2 見分ける】
物の整理は、自分の価値観の整理。
「使わないけど手放したくない」「使う、使わないではくくれない」ものがあるのは、自分の中にあいまいさがある。そのあいまいな自分を認め、「どうしてあいまいなのかな?」と時間をかけて気持ちを掘り下げる。
・3つのM(無理・無駄・矛盾)に気付く
捨てたくない(無理)、使用するためにかかる手間暇とお金の(無駄)、体系に合わなくて着ることはできないとわかっていても、「いつかは痩せるかもしれないから手放したくない」という現実と心の(矛盾)。
無理に手放す前に、自分の中の3Mに気付いて、わかってあげるだけでも、次のステップへ近づいていきます。
【ステップ3 手放す】
手放すことは、捨てることではなく、必要としている人に必要なものを渡すこと。
・まずは「難あり」か「難なし」かを見定める
・難のないものは、欲しいと手を挙げた人に差し上げたり、リサイクルやバザーなどへ
・難のあるものでも例えば古布なら雑巾やウェスにして使えます
当店でも衣類をお引き取りする際に、「捨てるのは忍びない。誰かのためになってくれるなら、そのほうがいい」といった声をいただいています。
その思いは誰かに喜ばれるだけではなく、手放す自分自身の喜びにもなることでしょう。
【残す】
残すと決めたものは、自分の心を映し出す鏡であり、自分の価値観の表れ。残したものから「わかる」ものもある。
・とことん使うために、リメイクや修理、しみ抜きをするほか、定期的に陰干ししたり、ものの状態を定期的に点検する習慣を作る。手間暇をかけて、ものを愛でる。
ものは使ってこそ価値がある。残したものはメンテナンスして使い続けましょう。“生きた状態”にしてつきあい、“生きた状態”を保ち続ける。だから貴重なものを貴重なまま、「残す」ことができるのですね。
【見直す】
時間とともに、ものは増えます。大事なことは、ものの量の調整と、管理です。
見直しには、タイミングがあります。
・使いながら=
生活用品は使うたびに定量と使い勝手を見直す。
・不便を感じたら=
なんだか使いにくい。ものを取り出しにくい。
・新しいものが入ってきたら=
新しく買ったものをしまうときは、古いものが「必要かどうか」と「定量」を考え直す。
・ぐちゃぐちゃになったら=
見た目がぐちゃぐちゃ、使っているものも使っていないものも混ぜこぜ。そのときも見直し。
世の中には陰と陽、表と裏のように二極で表現されるものが多い一方、二極だけでは片づけきれないことも多いかと思います。
グレーな部分を持つというのは、やむを得ずだったり必然の場合もあるかもしれませんが、それすらも自分の大切な歴史の一部分。否定することもなく、ただ時間とともに、それがいつかはっきりする時が来るのを、ゆっくりと待っていればいいのです。
ものが整理整頓され、家の中がきれいになると、頭の中も自然にクリアに。
また、変化し、進化していく人生のさまを、ものを見直すことで気づきのチャンスに役立てることができます。
みなさまが素敵な年越しを迎えられますように。
(文/Kayoko Enomoto) イドカバネットは
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