あ!という時に汚れを弾く便利な撥水剤ですが、だんだん効きが弱くなっている!?
従来のフッ素系撥水撥油剤は、主成分として、フッ素原子と炭素原子8個が結びついた「C8」と言われる化合物(以下、C8)が一般的に用いられてきました。しかし近年、C8は「PFOA」と言われる物質が動物の体内に蓄積することが判明し、安全性に問題があると言われています。
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例えば人の体内に入ると、血中濃度が半分になるまでに一年以上という試験結果もあります。
そこでアメリカ環境保護局は、C8関連物質の使用を禁止するように化学メーカーに要請する取組みが始まっています。
新たなC8は製造は、これに替わる高性能な撥水剤が研究されています。
撥水剤に用いられる成分は、炭素数が小さいものほど、その代謝物の蓄積性が小さくなります。
つまり、C8よりC6、C6よりC4が、人への安全と言えます。
しかしその反面、撥水剤の汚れを弾く性質は、炭素数が小さいものほど低下してしまい、人への安全性と撥水性能の両立は大変難しいそうです。
先日、某スポーツアパレル様に会社見学させてもらいましたが、そこでのご説明ではこの従来の「C8」に匹敵する性能の撥水剤および加工方法はまだ見つかっていないそうです。
科学は進歩してどんどん良くなっていくようにいつも思っていますが、安全性問題、環境問題等の規制によってちょっと後退することもある。
何でも便利な世の中ですが、安全、環境のためにはちょっと我慢することも大切なのだ思います。
われわれクリーニング業界も撥水剤を日々使用しています。よりよい製品・加工方法を薬剤メーカー、スポーツウエアメーカ―の皆様の今後の研究開発に期待したいです。
イドカバには、撥水剤の便利な使用方法、効果的な塗り方、性能を復元する方法などたくさん書かれています。
効果は弱くなっているので、その分賢く効率的に撥水剤を使用しましょう!
(文/Yoshihiro Tamura)
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