私のお店のご近所には、創立140年を越える小学校が御座います。
その小学校の校外学習などで、クリーニング店の様子やクリーニング工場の見学に、しばしば児童達がお越しになられます。
先日も小学校2年生の可愛い児童達が、好奇心いっぱいでやって来ました。
その際に、10問あまりの質問事項をいただきました。これがたわいもないと言えば、それまでなのですが、核心を突いているところもあり、また消費者がクリーニングに持っている疑問でもあるのかなと思いました。
そこで、その質問事項を抜粋してご紹介いたします。
下に続く
電車内や人混みなど
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①洗濯機は全部でいくつありますか。
回答
洗濯をする機械には種類がありまして、大きく分けるとドライクリーニングをする機械と水洗いをする機会があります。この工場では、2種類のドライの洗濯機と2種類の水洗いの機械があります。
解説
低学年に合わせて回答しておりますので、改めて詳しく説明いたします。
2種類のドライクリーニング機とありますが、ドライクリーニングには種類があります。ドライクリーニングとは、水以外の有機溶剤で洗う洗濯方法ですが、その有機溶剤の種類が違うのです。
日本では石油系と呼ばれる、灯油とガソリンの中間くらいの洗浄用溶剤が多く使用されています。
その他で一般的なのは、ハロゲン系やシリコン系など5~6種類程度あり、また希少な機種は、ドライクリーニングで使える有機溶剤の数だけ在る事になるので、恐らく20~30種類は在ると思います。
それぞれ有機溶剤の特色により、ドライクリーニングの性能や洗い上がりが違います。
また、同じ石油系ドライクリーニングでも、お店によって洗浄力・風合いに可成り差が出ます。石油系ドライクリーニングは、愛情を掛けていこなすことが必要で、そのお店の経営理念が出ると思います。
水洗いに関して「2種類の水洗いの機械」と答えていますが、これはランドリーとウエットクリーニングの機械のことで、どちらも水洗いには違いがありません。
ウエットクリーニングとは、ドライクリーニングでは落としにくい水溶性の汚れを落とすために、水を使って洗うモノです。ランドリーと決定的な違いは、水洗いするのは不都合な衣類を洗うために、高度にデリケートな水洗いをします。
勿論のこと、縮みや脱色などを防ぐように、水も加工して洗います。
②しわしわの服をどうやって、ぴんぴんにしているか知りたいです。
回 答
いろいろな種類のアイロンやプレス機で、蒸気(スチーム)や高温・圧力でしわを伸ばします。それぞれ服によって、プレスの機械が違います。後で工場を見学しますので、その時に説明しますからよく見てくださいね。
解 説
プレスに関しての質問ですが、子供らしい質問の仕方で「ぴんぴんにする」との言い方がかわいらしいですね。
ただ、この質問にはクリーニングにおける宿命のようなモノを指摘しているように感じました。
と言いますのも、クリーニングにおいてプレスは、基本的に洗ってからプレスするのが前提となります。
衣類が洗浄のストレスにより「しわしわ」常態になり、それを「ぴんぴん」にプレスする。つまりクリーニングにおいてプレスとは、しわを伸ばすことが一番に考えられてきました。
従って昔の洗濯職人は、7キロ以上もある重たい鉄のアイロンを180度以上の高温にして、シワくちゃの分厚い木綿を仕上げて、それで1人前でした。
しかし、今はその様な分厚い木綿の衣類はほとんどありません。その様な鉄アイロンもほとんど使いません。
今のクリーニングのプレスは、衣類のシルエットを重視した「成形」にウエートを置かれています。そのために、出来るだけシワをつくらないように、衣類にストレスを与えない洗い方をする。また乾燥の際にシワも伸ばす工夫もされています。
③服以外に、どんなものをきれいにしてくれますか?
回 答
お布団やカーペットなどは、皆さんクリーニング出来ることをご存じなのですが、帽子や靴やカバンなんかも洗えますょ。またシミ抜きだけやプレスだけでもやりますし、洗濯に関しての疑問なんかも、お気軽に来店されたらお答えします。
解 説
良くある質問なのですが、TシャツやGパンなどもお気軽にクリーニングに出してください。結構、遠慮されるいらっしゃいますが、パジャマなどもメニュー御座います。
この類で洗えないモノは、下着など衛生法規で認可が必要なモノですね。法規上では、身体の粘膜が直接ふれるモノか触れる恐れのあるモノは、普通洗濯業では洗えません。ですからTシャツはOKです。
最近、柔道着が学校の授業で使うのに、洗うと乾かないとお悩みの方がいらっしゃいますが、クリーニングでも承ります。
帽子・靴・カバン・バックなどは、お店にもよりますので確認をしてください。
シミ抜き・プレスも常態によります。悪しからず。
クリーニング屋さんって、まだまだ気がつかない便利な使い方があります。
是非、クリーニング屋さんにご来店されて、お洗濯のこととかアイロンのあて方とか、また世間話など、お気軽にご相談されるだけでも良いと思いますょ。身近な生活のパートナーとして、クリーニング屋さんを今一度ご注目ください。
長くなったので、今回はこれくらいにします。
まだまだ、面白い質問があったので、機会があれば紹介したいと思います。
(文/Takeshi Tsukiyama)
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