今日の我が家のお洗濯は、ご家庭で洗濯されることも多い形状記憶のシャツについてです。
クリーニング業をやっておりますと、Yシャツは大量にご依頼を受けます。
近年はそのYシャツの大半は、「形状記憶」「ノーアイロン」シャツです。
それだけ皆さん好んで購入しているのだと思いますし、ほとんど売っている物がそう言う加工がされているとも言えます。
「ご家庭で洗って、干すだけでシワが取れ、アイロン掛け不要」を好んで購入されたはずなのですが、クリーニング店に依頼するということは・・・「洗って、ちゃんとアイロンで仕上げてほしい」ということ?
ちょっと矛盾を感じずにはいられません。
また「アイロン不要を、しっかりアイロンかけて大丈夫か?」という疑問を感じ調べてみました。
そこで、シャツを製造する業界の協会に聞いてみました。
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生地に製造過程で、薬剤(加工材)を浸透させ、シワが気にならないシャツのこと。綿をポリエステル風に加工しているわけです。
乾燥状態の綿生地は、多少揉まれても元に戻る力があります。しかし洗濯など綿は水を吸収した状態は形状を記憶(元に戻る力)できません。水を吸収し洗い・脱水でもまれ、そのまま乾燥されると元の状態に戻れずシワになります。
ですから綿がシワにならないようにあらかじめ薬品を染みこませてしまい、水分を吸収しにくくしてあります。
一昔は形態安定シャツといえば、ポリエステル(水を吸収しない)ような化学繊維を一部使用した物なのですが、最近では、綿100%の形態安定シャツも登場しています。
形状記憶シャツの特徴は「シワの発生が少ないとこ」これは大きいのですが、デメリットは「通気・吸水性が悪くなる(汗を吸わない)」という綿繊維の最大の特性を犠牲にして成り立っております。
業界の協会の方のお話をまとめると、
(1)形状記憶シャツは、「まったくシワにならないわけではなく、シワになりにくい」という製品である。
(2)通常のオフィス勤務では気にならない程度になるそうで、洗って釣り干しだけで復元するが、あくまで個人の好みで、シワが気になるならアイロンを掛けて着用した方がよい。
(3)エリ、袖、前立てなど、「厚手のところ」「生地が重なっているところ」は、洗濯で「ぶくつかない」ように、樹脂接着しており、アイロンの高温でかけるとそれが剥離しやすいので注意。
(4)パリッとアイロン仕上げして着ていかないといけないときは、取扱い絵表示のアイロン温度を確認し、指定された温度で仕上げること。
(5)永久に保たれる加工ではないので、着用、洗濯頻度で形状記憶効果は薄れていく。
だそうです。指示温度を守れば、「気になるシワは、アイロンを掛けて着たほうが見栄えがする」という結論でした。非常に誠意あるご返答に感動いたしました。
さてシャツ業界の協会からのお願いなのですが、私が代弁してお伝えいたします。これはシャツメーカーや協会が共通して欲しているところです。
Yシャツを造る業界は、製品の改善・改良ため、購入者からの正確なご意見、クレームを非常に歓迎しております。
しかし、「弁償・製品交換目的でありえない不具合」で情報を偽ったり、数年以上着用していて、破れた、穴が空いた、汚れたなど、明らかかにお客様の着用方法に問題があるケースで連絡されるケースが多いそうです。
(クリーニング業者も)製品の情報・テストデータを沢山持って研究されている担当者が、手も足も出せない相談だらけでちょっとがっかりされております。
着用して、数回とか半年以内程度で何か不具合があれば、製品のタグに書いてある連絡先にお申し出ください。正確に、使用状況・頻度・洗濯方法、事故発生状況をお伝えいただければ、当然お客様の望む誠意ある対応をしていただけます。
最後に私も形状記憶シャツ持っていますが、商売抜きでコメント!
「Yシャツにはアイロン掛けた方がいいですよ。だって全然違うもん!
関連情報:Yシャツにまつわる人気記事。こちらもよく読まれております。
(文/Yoshihiro Tamura)
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