前回はクリーニング業の中でもホテル・病院などのシーツやタオルを専門に扱う「リネンサプライ」について解説し、全長10~15メートル、重さは13,000㎏オーバー、価格は約1億円という「連続洗濯機」を使い、60㎏の品物を猛スピードで洗濯する工程を紹介しました。
今回はその連続洗濯機で洗った後の工程、アイロニング(仕上げ)とフォルダー(たたみ)について詳しくご紹介します。
こちらでも一般の方は一生の内にまず目にすることがないであろう、専門の大型機械が多数使用されています。
こちらの動画は東都フォルダー工業㈱という会社の機械を紹介したものです(全1分42秒)
この会社は「布をたたむ」という技術にこだわり、約40年にわたり国産のタオル・シーツたたみ機を生産してきたメーカーです。
その高い技術力は世界でもトップレベルで、北米・ヨーロッパはもとより、南米や東南アジアでも多くのリネンサプライ工場で使用されています。
さて動画はご覧いただけましたでしょうか?
まず最初は、洗い上がったシーツの端をピッカーという機械でつかみ、次に登場する大型の機械、「投入機」(最も背の高い機械)の作業者へと開いた状態で受け渡すシーンです。(約30秒まで)
洗ったままのシーツを手作業で開こうとすれば、人間ひとりで約10秒はかかってしまいます。その拾って広げる作業を機械化することで、作業者の負担を低減し、少ない人数で生産ラインを構成することを可能にしています。
リネンサプライ工場は小さなムダも徹底的に排除し、生産効率をとことんまで追求した究極のクリーニング工場といえるでしょう。
この動画に登場する投入機は1時間に約1200枚のシーツをアイロナー(シーツ専用プレス機)へと運んでいきます。(約40秒まで)
そしてアイロナーで熱を加えながら、シワの無い状態へと加工します。(約1分17秒まで)
最後にアイロナーからたたみ専用のマシン、「フォルダー機」へと運び、4つ折り、8つ折り、枕カバー用の特殊な折り方など、そのホテルや病院のニーズに合わせた形にたたんでいきます。
この機械も重さ4トン、機械幅約4メートルというスケールです。たたみの幅や折り方はmm単位でプログラムされ、枕カバーやベットカバーなど、大きさ厚さの異なる製品にも対応できる汎用性と精密さを兼ね備えています。
シーツを広げる、投入する、たたむという単純作業に高精度の価格数千万円の機械を使って、極限まで省力化が図られているのがリネンサプライ工場の特徴といえます。
次回はリネンサプライ業の少し変わった機械をご紹介します。
お楽しみに。
(文/Tomoyuki Masuko)
<関連情報>リネンサプライ工場の記事について、こちらの記事も読まれております。
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