これまで1、2回とクリーニング店の裏側をお伝えしてまいりましたが、今回はクリーニング工場での作業について詳しく紹介したいと思います。
クリーニング工場での作業の目的は
「繊維をキレイにする」と
「かたちをキレイにする」大きくこの2つに分けられます。
ここでは「かたちをキレイにする」工程、いわゆる「仕上げ」の作業を解説いたします。
水やドライクリーニング溶剤で洗濯した衣類は、繊維表面や内部の汚れを取り去った代わりに、洗いと乾燥の工程で形体変化という影響を受けます。
これを元通りに成形する作業をクリーニング業界では「仕上げる」と呼びます。
ですが、この仕上げ作業、どこのクリーニング業者さんも同じことをしているのか?というと、実はそうではありません。
そのお店、会社によって力を入れている部分は異なり、利用する側と仕上げる側の価値観が合っていない場合、利用客の不満を招く要因となってしまうケースも出てきます。利用する側が作業内容を知ることで、自分に合ったクリーニング店が見つかれば幸いです。
まずはじめに、仕上げ作業には「機械仕上げ」「手仕上げ」の2つがあります。
大まかに言えば大量に衣類を扱う工場では、主に機械仕上げをメインに作業工程が設計されており、生産効率を上げ、利用しやすい料金でサービスを提供することが重視されます。
数種類の機械で様々なサイズ、素材の衣類を仕上げるという特性上、工程は最大公約数的なものとなります。
また、機械の仕様は各工場で微妙に異なっており、同じ服を違うクリーニング店に出した時、「ピタっと真っ平らになってる」「少しふんわり感がある」などの違いが出てきます。その違いにも注意してみて見ると自分のスタイルに合ったクリーニング屋さんが見つかるでしょう。
一方、手仕上げの特徴は、ひとりひとりの好みに応じたカスタマイズされた仕上がりが一番の特徴と言えます。
「ジャケットのエリをぴっちりプレスして欲しい」「フリルブラウスのボリュームを出したい」などなど、要望に応えやすいのが大きなメリットと言えるでしょう。
自分の好みを伝えて「いつも気分よく洋服が着たい」そんな洋服好きな人は仕上げにこだわるクリーニング屋さんをぜひ見つけていただきたいと思います。
以前、仕上げ技術にこだわるクリーニング屋さんから「仕上げは感性だ」という言葉を聞いたことがあります。
感性やファッションのスタイル、価値観が合うクリーニング屋さんを見つけるためには、預ける際の店員さんとのコニュミケーションの中で、仕上げについて色々と聞いてみるといいと思いますよ。
(文/Tomoyuki Masuko)
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